名探偵シャーロック・ホームズが駆使する「観察力」と「聞く力」の鍛え方 証言「事件のあった夜、犬は吠えなかった」の意味するところは?

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私たちは、犬が吠えなければ何ごともないと思いがちだが、名探偵の手にかかると、とたんに大きな意味を持つ。

僕は犬が吠えなかったことの意味に行き着いた。正しい推理は、必然的に次につながるものだ。シンプソンの一件で馬小屋に犬がいたことがわかっていたが、何者かが忍び込んで馬を連れ出しても、屋根裏で寝ていた2人の若者は犬の吠える声で目を覚ますことはなかった。つまり、真夜中の侵入者は犬がよく知っている人物ということになる。

「聞く力」のトレーニング方法

視覚的な観察力と同じように、聞く力を鍛えるには、意識して練習することが大事だ。音のとらえ方には、ふた通りある。ラジオ、授業中、道を歩いているときなどの受動的な場合と、会話をするときなどの能動的な場合だ。

耳の訓練にうってつけの簡単なトレーニングを紹介しよう。

ラジオのニュース番組に集中して耳をかたむける。ニュースが終わったらラジオを消し、いま聞いたことを簡単にメモする。すべてのニュースを正しい順序で思い出せるだろうか? それぞれの大まかな内容、あるいは要点は?

実際に始めてみると、ほとんど頭に入っていないことに気づいて、ショックを受けるかもしれない。それでも、しばらく練習を続ければ、驚くほどレベルアップするだろう。

次に、夏の午後に庭や公園に出て、椅子に座って目を閉じてみよう。耳を澄まして、聞こえてくるすべての音に注意を向ける。人工的な音にも、自然の音にも。このトレーニングによって、周囲の環境にうまく順応できるようになるはずだ。

会話中の聞き取りスキルを向上させるには、まったく別の訓練が必要となる。

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