人事評価の「評価項目が多すぎ問題」が会社をダメにする 「離職者の増加」の遠因となっている人事評価制度の形骸化

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このように、評価項目の内容を意識して仕事をすることができなくなると、人材育成の役割も果たせなくなるわけです。

「評価項目は5つに絞るべき」深いわけ

そのため、私は主宰する経営心理士講座の中で、評価項目は5つ以内に絞るべきとお伝えしています。

それにより評価する上司の側も各項目についてしっかりと考えて正確な評価をすることができます。

また、5つ以内であれば覚えることができるので、その内容を意識しながら仕事をすることが可能になります。

経営者の側は社員に多くを求めがちですが、あれこれ求めすぎると、結局はどれも頭に残らず成長につながらないという結果に陥りがちです。

そうならないように求める内容を少数に絞って、しっかり頭に残るようにし、それを日々現場で意識しながら仕事をしてもらうことで求める人材に育てていくわけです。

また、上司が評価面談でフィードバックする際も、各項目についてより深く丁寧なフィードバックができ、部下もどういう力をどのように伸ばせばよいかがよく理解でき、評価項目が求める人材に育ちやすくなります。

この5項目は職位によって変えていただいても大丈夫です。

たとえば、役員・部長クラスにはこの5項目、課長・係長クラスにはこの5項目、若手・新人にはこの5項目といった具合です。

実際、経営心理士講座の受講生からは「項目数を絞った結果、社員の行動が変わった」「部下の成長が著しい」という声をたくさんいただいています。

離職防止策についても「社員が若手の育成を丁寧に行うようになった」「部下にきつく当たることがなくなった」といった効果が生まれています。

このようにして、人事評価においてマネージャー業務についてもしっかり評価し、人事評価制度の項目を絞って有効に機能する状況を作ることができると、離職防止策が功を奏するようになるわけです。

人事評価制度の運用は、会社の成長を考えるうえで極めて重要な要素です。だからこそ2つの役割を十分に果たせる運用を進めていただければと思います。

藤田 耕司 経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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ふじた こうじ / Koji Fujita

一般社団法人日本経営心理士協会代表理事、公認会計士、税理士、心理カウンセラー。これまで1200件超の経営相談を受け、心理学と会計を活用した経営改善を行う。その経験から経営者の心理、部下の心理、顧客の心理を分析し、経営心理学として体系化することで経営改善の成果を高める。また、経営心理学を学ぶ「経営心理士」の資格を創設。経営心理士講座の受講生はのべ5000名を超え、その内容は大手企業や省庁でも導入される。著書に『リーダーのための経営心理学』(日本経済新聞出版社 日本、台湾、韓国の3カ国で出版)、『経営参謀としての士業戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)。

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