資生堂「1500人早期退職」へ追い込んだ2つの元凶 藤原社長が掲げた「4つの条件」に困惑する社員も

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決算説明会で構造改革に言及する資生堂の藤原憲太郎社長COO(左)(記者撮影)

「(資生堂が掲げる)ピープル・ファーストで求める4つの人財像は、ご覧の通りです」

2月29日、資生堂社内は動揺に包まれていた。藤原憲太郎社長COO(最高執行責任者)が動画を通し、大規模な早期退職募集を行うと発表したのだ。

動画は「ミライシフト NIPPON 2025」というタイトルから始まり、資生堂ジャパンの成長に向けた方針の1つに「人財変革」を示した。そして藤原社長は冒頭の発言に続き、資生堂ジャパンに残る人材について、次のような条件を掲げた。

「グローバル・ビューティー競争をリードできる『センス』と『スキル』を有している」「期待を超える成果創出に向けた『学習』と自己成長への『情熱』を有している」

この動画を見た現役社員は、「早期希望退職の話が出ると、社員の間には重く暗い雰囲気が漂い始めた」と振り返る。そして「会社に残るなら経営陣が求める人材に変わってくれ、ついていけないなら会社を辞めたほうがいいという独特の論調。現場を支えてきた人材にメスを入れるリスクを、経営陣は理解しているのだろうか」と憤る。

日本事業の1割超の社員が対象

3月8日には個人別の早期退職金の試算書が送られ、3月11日から対象者に向けた管理職との面談が始まった。4月17日から5月8日まで早期退職募集を行い、応募者は9月30日に退職日を迎える予定だ。

新経営改革プラン「ミライシフト NIPPON 2025」で1500人規模の早期退職募集を発表(記者撮影)
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