人事評価の「評価項目が多すぎ問題」が会社をダメにする 「離職者の増加」の遠因となっている人事評価制度の形骸化
それで評価のグレードが1~5まであった場合、1人目のはじめの10項目くらいは、「この人の場合、この項目は5はつけすぎだから4かな。でもあの時のあの活躍はすごかったから5にしようかな。でもこの部分はまだ完璧ではないから、やっぱり4だな」といった形で丁寧に評価するかもしれません。
しかし、だんだん集中力が切れてきて、業務にも追われ、「あと490項目もあるのか」と思うと、もうこんなに丁寧に付けていられないと思い、「とりあえず終わらそう」という評価の仕方に変わっていきます。
中には「とりあえず3をつけておけば無難だろう」と、ほとんど3にする人もいます。
評価入力の締め切りが近づけば、より評価の仕方が雑になっていきます。
こうやって行われた評価は「査定」の役割を十分に果たしているとはいえず、形骸化された査定となるわけです。
評価項目を覚えられない、実践できない
また、人材育成の役割に関して言うと、社員が評価項目の内容を現場で意識しながら仕事をすることによって、求める人材に成長していくわけですが、現場では人事評価項目を逐一見ながら仕事をするわけにはいきません。
そのため、人事評価項目を見ないでその項目を意識して仕事をするには、各項目の内容を覚えていなければいけないわけです。
ただ、評価項目数が多すぎると覚えることは難しくなります。
私もサラリーマン時代、会社に入社したてのころは評価項目の内容を確認し、その内容を意識して仕事をしようとしていました。
ところが、評価項目数が30項目ほどあり、とても覚えることはできず、結果として評価項目を意識しようとはしなくなりました。
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