「夏バテに鰻」は日本人の体質的にNGだった→日本人は夏に太りやすく、冬に痩せやすいという驚きの科学的根拠

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8%の違いがおにぎりに匹敵するのは、1日のエネルギー消費のうちで、基礎代謝量の占める割合が大きいからです。

意外なことに、運動と生活活動によるエネルギー消費は10~40%しかありません。食事誘発性熱産生(DIT)が約10%で、残る約50~80%が基礎代謝量です。

日本の気候が基礎代謝量に影響している

話を戻しましょう。カロリーの必要量が減少するとなれば、夏は食が細くなるのが自然です。

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欧州系の人は年間を通じて基礎代謝量が一定だというデータがあることから、日本人の基礎代謝量が変動するのは、おそらく、蒸し暑い日本の夏に体が適応した結果と考えられます。

基礎代謝量がこれだけ落ちているのに、焼肉、かば焼き、スパイスのきいたカレー、ガーリックステーキを楽しく食べたり、食欲がなくても1日3食絶対に食べようと頑張ったり、付き合いでバーベキューに行ったりしたら、どうなるでしょうか。

はい、太ります。

病気を治療しているとか、子ども、シニア世代など、栄養摂取にとくに気を配る必要のある人でなければ、夏に食欲が多少下がっても気にしなくてよいといえます。

夏は体が省エネモードになります。さからわず、自然にまかせましょう。ただし、体に蓄えることができない、ビタミンとミネラル、そして水分は意識して摂取してください。

奥田 昌子 医学博士/内科医

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おくだ まさこ / Masako Okuda

京都大学大学院医学研究科修了。京都大学博士(医学)。博士課程にて基礎研究に従事。生命とは何か、健康とは何かを考えるなかで予防医学の理念にひかれ、健診ならびに人間ドック実施機関でのべ30万人以上の診察/診療にあたる。航空会社産業医を兼務し、ストレス対応を含む総合診療を続けている。著書に『これをやめれば痩せられる』(東洋経済新報社)、『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)、『内臓脂肪を最速で落とす』(幻冬舎新書)などがある。

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