「もっちゅりん買えない」「ドーナツじゃなくて“ミスド”がいい」何度ドーナツ戦国時代を迎えても、日本人が結局《ミスド》に戻ってくるワケ
最近のミスドは、「辻利」「ゴディバ」「ピエールマルコリーニ」「トシ・ヨロイヅカ」などの高級路線ブランドとのコラボが目立っている。定番商品と比べて割高ではあるが、筆者が店舗に行った際は、これらの商品を注文している客が目立っていた。
ケーキの価格が高騰しており、カフェや喫茶店でセットメニューを注文すると、ランチよりも値段が高くなってしまう状況にある。もはやケーキは庶民にとっては「高級品」になってしまっている。
そうした中で、ミスドの期間限定商品はケーキの代替として「ちょっとした贅沢」を味わうのに適した商品になっているように見える。

幾度となく起こった「ドーナツブーム」
ちなみに「ミスタードーナツ」はアメリカが発祥だが、本国ではいまや1店舗しか残っていない。一方、アメリカで最もメジャーな「ダンキンドーナツ」は、以前は日本に進出していたが1998年に撤退している。
沖縄のアメリカ軍基地内にダンキンドーナツの店舗があるが、筆者が沖縄に住んでいたころ、一般市民への開放日に店舗を訪問したことがある。同店の商品はよくも悪くも「普通のドーナツ」という感じで、甘くて大味で、ミスドの商品とは似て非なるものだった。
ミスドの商品は日本人の口に合いやすいように調整されている。甘みや脂分が抑えられているし、「ポン・デ・リング」が象徴的だが、もっちりとしたアジア人が好む食感になっている。

また、「ポケモン」「しまじろう」「ディズニー」など、キャラクターとのコラボも積極的に行ってきた。キャラクターの活用も、やはり日本人の嗜好に合ったやり方だが、ミスドはそれを巧みに行っている感がある。
ドーナツブームは何度か起こっており、2014年には、セブン-イレブンをはじめ、コンビニ各社がドーナツの販売を開始したこともあった。一時は好調だったが、ブームが過ぎて撤退を余儀なくされた。
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