「もっちゅりん買えない」「ドーナツじゃなくて“ミスド”がいい」何度ドーナツ戦国時代を迎えても、日本人が結局《ミスド》に戻ってくるワケ

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競争が厳しく、かつ原材料高で収益性が圧迫されている外食チェーンの中で、ミスドが好調なのは興味深い。

今回の「もっちゅりん」のヒットは、業績好調の延長線上にあると捉えられるのだが、まずは「もっちゅりん」好調の要因から見ていきたい。

「もっちゅりん」ヒットの要因は主に以下の3点であると考える。

1. キャラクターのかわいさ
2. 商品力(おいしさ、消費者ニーズとの合致)
3. 話題性・希少性(品薄が消費者の欲求を刺激)

1つ目の「キャラクター」の活用については、近年重要性を増している。逆に、キャラクターが飽和しすぎている感もあるのだが、「もっちゅりん」は現代にあったシンプルでかわいげのある印象的なキャラクターになっている。

現在では、SNSでシェアされることが重要だが、3つ目の希少性と合わせて、SNSでシェアしたくなる要素が十分に満たされている。

もっちゅりん
愛らしいキャラクターも人気に(写真:大関まなみ)

2については、弾力(もちもち感)とやわらかさという2つの食感を同時に実現したことが大きい。ネーミングも商品の特徴をうまく表現している。SNSを見ても、買えた人の多くが「おいしかった」と投稿している。商品力については後ほど詳しく考察したい。

もっちゅりん
いちばんシンプルで、そのもっちゅりとした食感が楽しめるという「もっちゅりん きなこ」(写真:大関まなみ)

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3の話題性・希少性だが、キャラクターと商品力に加えて、品薄になっていることが話題化し、ミスドにあまり関心のなかった人にも興味を持たせることに成功している。

なお、現在は「○○限定」「残りわずか」「人気商品」「入手困難」といった、希少性を強調する売り文句が以前に増して有効となっている。

これは、メディアやSNSで話題化されやすく、それを見た消費者が店舗に殺到し、その様子がまた話題となってトレンドが加速するーーというような連鎖が起きやすいためだ。

ミスドの店舗数は、2020年まで減少基調にあったが、昨今の人気でそれが逆に希少性を生んでいるようにも見える。

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