TPP対策、新生JA全中の弱腰に不満噴出

対応を誤れば、日本農業に甚大なダメージ

この「投資」が指すのは、たとえばインフラ整備だという。奥野氏は具体例として、牛肉を海外へ輸出するための基準を満たす食肉加工場を挙げる。国内では限られた場所でしか輸出向けの処理ができず、海外に打って出るためにはこの整備が不可欠だという。

国内で農業を持続し、国産農産物を確保し続けるためには、インフラの強化は欠かせない。インフラ整備が必要ならば、JAグループ側から必要性を裏付ける客観的なデータを整理し、早急に提示していかなければならない。

TPP対応は農協改革そのものである

こうしたインフラ強化策に対する政府や納税者の理解を得る意味でも、JAグループが独自にすべきことは多い。JA全国大会では、16年度からの3年間で、地域農協が組合員のニーズに応じながら、コスト削減などの指導を徹底し、海外を含めた新しい販路の開拓を進める方針を打ち出した。

JA全中は、このような地道な活動とTPPとがどうリンクするのかを分析し、TPPによる品目・地域ごとの環境変化と、それに伴う対応策の指針を示す必要がある。これはグループの司令塔として多くの専門スタッフを抱えるJA全中でないとできない作業だ。こうした準備をした上であれば、JAグループだけでは打てない対策に対する政府の支援を勝ち取ることもできるだろう。

2014~15年の農協改革によって、JAグループは、これまでの中央集権的な構造を改めることになった。頂点にあるJA全中が、環境や特色のそれぞれ異なる全国の地域農協に画一的な指示を出すというやり方は否定されたのだ。

一方、改革後のJA全中には、日本農業、そしてJAグループ全体を見渡すことのできる立場ならではの方法で、地域農協に寄り添いながら、その活動を支援することが求められている。TPPへの対応は、まさにそのサポート業務に当たる。TPP対応は、農協改革そのものでもあるのだ。

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