【Netflix「イカゲーム3」】全世界No.1視聴回数なのに“否定的な声”が目立つ真因/オスカー俳優起用で「アメリカ版イカゲーム」の期待も!

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資本主義に対する鋭い皮肉

一方、骨太なエンタメ作品を貫いたことは評価に値します。

ギフンは常に迷いながら進み、たびたび甘い誘いを受けますが、人としての尊厳を保ち、そんな姿を描ききっています。「おじさんはそんな人じゃないでしょ」という他者の言葉に救われるのはギフンの人徳が影響しているように感じる部分です。

ファン・ドンヒョク監督
ゼロから「イカゲーム」を生んだファン・ドンヒョク監督(右)(画像:Netflix)

こうした試練を与えられる物語の背景には、資本主義に対する鋭い皮肉が潜んでもいます。ゼロから「イカゲーム」を生んだファン・ドンヒョク監督はただ消費されるだけのエンタメ作品にしたくないという思いがあったのかもしれません。後味を残したエンディングにそれが表れています。

少なくとも数字の上で記録に残ることは間違いありません。シーズン3は初週から6010万視聴回数を記録し、公式の全世界ランキング1位を軽々と獲得しています。同時にNetflix歴代トップのシーズン1と2の視聴時間も伸ばし、「イカゲーム」の独走状態はまだまだ続いていきそうです。

【もっと読む】【実写ドラマ《ONE PIECE》シーズン2】ついにお披露目の「チョッパー」は見た目がSNSで話題に!/キャスティングから見えるNetflixの深謀遠慮 では、コラムニストの長谷川朋子氏が、実写ドラマ「ONE PIECE」から浮かび上がるNetflixの深謀遠慮について詳細に解説している。
長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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