目玉は参政党、石破首相はなぜ兵庫県に? 各党党首の「第一声」から見えてきた参院選"序盤"の勢力図

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これもおそらくは他意はなく、日本語で対応していたら生じなかった問題だ。政治家はリップサービスやら自己顕示やらで、とかく“余計なこと”を言いがちだが、とくに多数が相手の街頭演説では、発する語彙に気をつける必要がある。

その玉木氏が第一声を発したのは、JR新橋駅前のSL広場だった。「新橋は私たちの原点です」と玉木氏が述べたとおり、国民民主党は国会が終わるたび、この場所で演説会を行ってきた。当初は10人程度が立ち止まって聞いていた程度だったが、このときは聴衆が広場のおよそ半分を占めていた。

同じ日に同じ広場をさらに埋め尽くしたのが、日本保守党だ。同党の百田尚樹代表は「日本は本当に壊れかけです」と訴えた。昨年の衆院選で3議席を獲得した日本保守党は、ネット戦略が巧みである点で国民民主党や参政党と似ている。また、斜陽化する自民党から票を奪いつつある点でも共通点が見られる。

石破首相の第一声が兵庫県になったワケ

石破首相が自民党総裁として第一声の場として兵庫県を選んだのは、大阪・関西万博の「ジャパンデー」への出席スケジュールに合わせた以上の意味がある。兵庫県選挙区で苦戦しているのは、自民党の加田裕之氏だけではない。友党・公明党の高橋光男氏は、今回の参院選において党内で最も苦戦を強いられている。

それは翌4日の公明新聞の第1面でも明らかだ。高橋氏の出陣の写真は、最重要候補であることを意味する紙面最上段右側に掲載された。

ただし、高橋氏と一緒に微笑むのは、斉藤鉄夫代表ではなく、石破首相だった点は注目すべきだ。兵庫県は新温泉町や香美町、養父市、宍粟市などが鳥取県に接しているため、同県出身の石破首相に対する親近感をアピールする意図が見える。と同時に、これは自公政権が危機に瀕する中で、自民党と公明党が改めて強い結束を示しているのにほかならない。

自公の過半数割れを狙う立憲民主党の野田佳彦代表は、宮崎県国富町で第一声を発している。32ある1人区のうち野党調整で立憲民主党が獲得した選挙区は10で、宮崎県選挙区はその1つ。立憲民主党の支持が薄いとされる西から勢いを加え、東進しようという思惑だ。

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