日本の「飯田商店」の醤油ラーメンをそのまま提供することもできるが、それだけではなく、現地の食材を使っておいしい一杯が作れるかどうかには常にこだわっている。現地でおいしいラーメンを広げられる可能性を見出すためだ。
「海外でラーメンを作るにあたっては、まず生産者さんや現地の素材を見たいです。数は多くなくとも、誰よりもおいしい鶏を作ろうとか、おいしい豚を作ろうとか、そういった負けず嫌いの生産者が現地にもいると信じたいです。そうやって、生産者や食材を見つけながら、ラーメンとしておいしいものを作り上げていくことは決して不可能ではないと思います。
もちろん、その国々、生産者の考えや方向性により、その土地らしいラーメンの味になっていくとは思います。そうすることで、各地独自のおいしいラーメンができるのではないかと思うのです」(飯田さん)
ラーメンとしては未開拓の生産者や食材を見つけたい

飯田さんは日本でそうしているように、海外でも自分の目で生産者を見つけていきたいと話す。そもそもラーメンのために食材を作っている生産者は海外にもそういないので、間違いなく茨の道だ。だが、一から飯田さんがかかわることでイノベーションを起こしていきたいのだという。
「ラーメンとしては未開拓の生産者や食材を見つけて、ラーメンという食べ物のその土地ならではの在り方も含めて考えていきたいんです。各地でもがきながらラーメンと向き合いたい。全力で困りたいんです。
その土地でラーメンがおいしくできれば、生産者ももっともっとと思い、更に向上していくでしょう。その流れができたら最高です。
そのためには、各地の生産者をラーメンの虜にするのが鍵になってきます。そして生産者だけでなく、その土地に住む人たちもラーメンの虜になれば、ラーメンの本物の『仕事』が伝わり、おいしいラーメン店が増えていきます。それが僕の理想です」(飯田さん)

海外の食のトップが「飯田商店」のラーメンの虜になり、各地から声がかかる中で、飯田さんがそれぞれの土地に本物の「仕事」を伝えていくことで世界のラーメン文化が進化していくかもしれない。
果てしない道かもしれないが、飯田さんが一から伝えていくことで、新たなラーメンの街が世界中にできていくことだろう。

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