そのまま輸出しても、劣化コピーになるだけだ…日本一の名店「飯田商店」が英国で「カリフラワーラーメン」を出した超真面目な理由

✎ 1〜 ✎ 103 ✎ 104 ✎ 105 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

おそらくどの日本のラーメン店主も、世界のラーメンにおいて日本のラーメンがトップであると思っているはずだ。それは現時点では間違いないことだと思うが、飯田さんは海外へラーメンを伝えるということに対して、独自の彼らしい考えを語る。

「先陣を切って出て行かれた先輩達は、やはり素晴らしいと思います。しかしながら、どのように切り開いていったのか、私は知りません。

ただ、僕なら僕のやり方で『耕す』ような感覚で、血の濃い仕事を伝えていきたいと思っています。僕が世界に出ていくとしたら、やはり日本で発展した日本人らしい、細かい神経まで行き届いた『仕事』にこだわりたいです。『仕事』がダイレクトに味に表れる食の一つがラーメンという食べ物だと思っています」(飯田さん)

飯田商店
調理中の飯田店主たち(写真:飯田商店提供)

鶏、豚などの動物系に加えて、昆布や鰹節、煮干しなどの乾物は日本ならではの食材で、その独特な食材を生かしながら、古来からある「ダシ」という文化で、ほかにない爆発的なうま味に進化した「ラーメン」という食べ物は日本の食文化そのものだ。

それを海外に持っていくにあたって、それが日本の劣化コピーでいいのだろうかと飯田さんは考える。

「日本でラーメンが文化にまで発展したのは、日本の食材を使っているからだと思います。だからこそ日本人に合う味になるのです。だから、例えばロンドンならロンドンらしいラーメンが作れるのではないかと。だとすると、世界中まだまだラーメンの可能性が埋もれているんですよね。

日本のラーメン店主が、本気で日本のラーメン文化を広げるためにどこまでこだわり尽くしているのかは僕は知りません。少なくとも、日本で僕たちがこだわっているレベルで現地の生産者を追い求め、探求・追求していくことで、まだまだたくさんの食材との出会いが見つかるはずです。

海外に出ていくとしたら、僕はそれをとことんやっていきたい。そこにワクワク感があると思うんです」(飯田さん)

現地の食材を使っておいしい一杯を作る

ロンドンの「モシマンズ」では、飯田さんは現地のカリフラワーを使った一杯を提供した。

飯田商店
カリフラワーを使った一杯(写真:飯田商店提供)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事