映画≪国宝≫に歌舞伎俳優も驚嘆!  「歌舞伎の松竹」ではなく「東宝」の配給で成功した理由

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東京で大規模な商業演劇を観ようとすると、東宝と松竹となる。日比谷界隈の帝国劇場、東京宝塚劇場は東宝の拠点であり、ミュージカルや宝塚歌劇団公演を中心に興行が行われている。

晴海通りを東に進んで銀座方面に行くと東銀座駅付近に松竹演劇の本拠地である歌舞伎座と新橋演舞場がある。歌舞伎座は歌舞伎の伝統であり、新橋演舞場は新派(明治時代に始まった演劇で劇団新派がある)や歌舞伎俳優が主役の演劇が多い。東宝は洋モノ中心、松竹は和モノ中心と言ってもよいだろう。

少なくとも歌舞伎を東宝が興行することはない。かつて(1955年~1983年)東宝歌舞伎というものがあったが、現在は商業ベースの歌舞伎興行は松竹の独壇場だ。国立劇場も歌舞伎公演を行っているが、松竹の協力があって成立している。

その歌舞伎を題材にした映画が東宝で配給され、大ヒットしている。筆者も鑑賞したが、素晴らしい出来映えだった。歌舞伎俳優の役を歌舞伎俳優ではない吉沢亮と横浜流星が演じで高い評価を得ている。

歌舞伎座の楽屋でも映画『国宝』の話題で持ちきり

筆者は歌舞伎俳優にも意見を聞いてみたが、歌舞伎座の楽屋でも映画『国宝』の話題で持ちきりで、映画館に足を運ぶ役者も多いという。

市川團十郎は自身のXで6月11日に以下のように述べている。

「俳優の方々が、1年以上も稽古を重ね撮影に挑む、そういう姿勢 一つのものに取り組む姿勢。それにより生まれる世界 そこに人々は共感と感動を観る。監督はじめ関係者全ての方々に賞賛。♯国宝 是非ご覧ください。などと私がいうのは可笑しいですが笑 観てほしい作品です。歌舞伎役者として思いました。♯團十郎 この作品を麗禾と勸玄に薦めました。」

国宝 出石永楽館
映画『国宝』に登場する「出石永楽館」(写真:938/PIXTA)
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