「寝てもダルい」「疲れが取れない」の原因は夜間の血糖値の急降下だった!医師に聞いた《血糖値コントロールで朝ダルを解消する方法》
初日(3月12日)の夕食に、カレーやカボチャ、パンを食べ、その後に乾パンと金平糖といった糖を多く含む食品を食べたことで、就寝中(左の紫色のライン)に血糖値スパイクを起こしている。
一方、2日目(3月13日)は糖質制限ランチや糖質制限弁当を食べたため糖質がコントロールでき、睡眠中(右の紫色のライン)の血糖値も安定している。
なお、最近では比較的容易に血糖値の推移を計測できるようになっていて、そうした医療機器(リブレ)も登場している。糖尿病患者では健康保険が使えるが、健康な人でも自費でチェックができるので、気になる人はネットなどで調べてみてほしい。
夜間低血糖を改善するには、食事の摂り方を変えることが大事になる。
溝口氏は、「低血糖は、血糖値がグンと上がったあとの反動で起こる。血糖値を上げるのは糖質だけなので、夜間低血糖を予防するには、夕食に糖質を抜くか、極力少なくして、食べる順番を最後に回すことをお勧めする」とし、「血糖値を上げない食生活をまずは1週間続けてほしい」とアドバイスする。
夕食に糖質を控えても、体内に蓄えられている糖質を利用する“自動バックアップ機能“があるので、低血糖にはならない。この自動バックアップ機能の要となるのが、肝臓だ。腸から吸収された糖は肝臓に貯蔵されていて、血糖値が下がると肝臓から血液中に放出され、血糖値を上げる。
もう1つ大事なのが、筋肉だ。筋肉のタンパク質は糖に変わる仕組みがある。これを「糖新生」といい、こちらも血糖値を安定させる重要なバックアップ機能を果たしている。
これらのバックアップ機能をしっかりと維持させるには、肝臓の健康を保ったり、適度な運動で筋肉量を増やしたりすることが重要になる。
低血糖予防の工夫とNG行動
さらに夜間の血糖値を安定させたければ、1日を通して安定した血糖値のコントロールが必要で、そのためには昼の食事の摂り方にも工夫が必要となる。
ビジネスパーソンなどが外で昼食を摂る場合、そばやうどん、牛丼などの単品のメニューになりがちだ。炭水化物オンリーになると夕方に血糖値スパイクが起こりやすい。これを防ぐには、単品なら生卵やサラダを追加する、単品ではなく定食を選ぶといい。
そして、昼食を食べ終わったら、すぐに歩く、体を動かすという習慣をつけたい。つまり「箸を置いたら靴を履く」ということだ。オフィスにいれば必然的にそうなるが、在宅勤務などだとなかなか難しい。それだけに、意識して行いたいところだ。
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