「変なホテル」は、やっぱり究極に"変"だった 館内で活躍する敏腕ロボットたちをご紹介!

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アメニティは自動販売機で貸し出し・販売

電力とコスト削減のため、各客室には通常のホテルには備わっているテレビ、電話、浴衣がない(一部あり)。そのかわり、ちゅーりーちゃんの横にあるタブレットで、フロントへの電話や客室間通話、テレビの視聴ができる。また、館内の案内を見たり、照明を点灯・消灯することも可能だ。バスとトイレは別々。室内の照明が人感センサーで点灯・消灯して、電力消費を抑えている。

ホテル全体と各部屋の空調設備には「輻射パネル」を採用。温水や冷水を流して空気調整する最新技術で、パネルの表面には結露した水滴が見える。エアコンのように室内が乾燥する心配がなく、電力削減と快適な環境づくりに役立つそうだ。

ホテル内に飲食施設はなく、アメニティと軽食、ドリンクの自動販売機が設置されている。朝食付き宿泊プランの場合、朝食はすぐ近くの健康レストラン「AURA(オーラ)」を利用。レストラン内で栽培・実験している新鮮な野菜などを使った地産地消ビュッフェが食べられる。

2カ月ですでに改良された2つの点

レストランの入り口には「野菜工場」が

ホテルにロボットだけしかいないと、急なトラブルや質問があるときは困るのでは……。そんな心配が出てきそうだが、実は館内いたるところにカメラがついていて、常時スタッフが映像をチェック。何かあれば、すぐに駆けつけて対応してくれる。取材時もスタッフがさりげなく出てきて、宿泊客をサポートする姿がみられた。それでも、館内にいるスタッフは最大10人に抑えているという。

オープンから2カ月、進化を掲げるホテルだけあって、すでに2点改良されたという。ひとつは、宿泊料金の設定。当初は宿泊希望者によるオークション方式を導入していたが、上限金額での落札が続いたため、「リーズナブルに泊まってほしい」という理念に立ち戻ることに。オークションはやめて、通常の決まった価格での予約受付に変更した。

また、当初は各部屋に冷蔵庫を置いていなかったが、宿泊客からの要望の声が多かったため、今は全室に設置している。

開業時から、国内はもとより世界各国のメディアが頻繁に取材に訪れているという。この第1期棟72室に続き、隣に第2期棟72室が2016年3月オープン予定。1期棟は東京大学、2期棟は鹿島建設が手がけており、使われる技術などが違うという。さらにグループのリゾート施設「ラグーナテンボス」にも、変なホテルを進化させたホテルを建設する計画がある。

従来の同規模ホテルと比べて、人件費を約3分の1に削減し、光熱費も半分に。将来的には9割以上を自動化・ロボット化して、世界最高の生産性を追求したいと意気込む澤田社長。今後の進歩に大いに期待したい。

(撮影:長崎辰一)

佐々木 恵美 フリーライター・エディター

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ささき えみ / Emi Sasaki

福岡市出身。九州大学教育学部を卒業後、ロンドン・東京・福岡にて、女性誌や新聞、Web、国連や行政機関の報告書などの制作に携わる。特にインタビューが好きで、著名人や経営者をはじめ、様々な人たちを取材。

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