蒲郡のラグーナ、「HIS流改革」のスゴい実績 苦手な冬の客数が1.5倍に!

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ラグーナの城壁風の重厚なエントランス。中では絶叫系ライドや多彩なショーが楽しめる

5月中旬、知多半島と渥美半島に囲まれた三河湾上に、ド派手な「海賊船」が出現した。船の目撃者はツイッター上で、次々とその光景を写真付きで投稿。瞬く間に情報が拡散していった。海賊船の名前は「サウザンド・サニー号」。人気コミック『ONE PIECE』の中で、主人公・ルフィたちが乗船する海賊船だ。

ハウステンボスで人気を博したこのサウザンド・サニー号は、5月13日に長崎を出航、はるばる愛知県へとやってきた。目的地は、長らく低迷が続いたレジャー施設、「ラグーナ蒲郡」からの復活を目指している「ラグーナテンボス」だ。

ラグーナ蒲郡は、愛知県や蒲郡市、トヨタ自動車などが出資し設立した第三セクター「蒲郡海洋開発」が手掛ける複合レジャー施設。ただ名古屋市街をはじめとした都市部からのアクセスが悪いうえ、目玉となるイベントや施設が少なく、集客に苦戦。経営状態は債務超過に陥るなど厳しい状況が続いていた。

敷地の狭さなどから一時は事業譲受に難色

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その再建に白羽の矢が立ったのが格安航空券のパイオニア、エイチ・アイ・エス(HIS)だ。同社は18年間赤字が続いていたハウステンボスの立て直しに名乗りを上げ、2010年に澤田秀雄エイチ・アイ・エス会長が社長に就任、初年度から黒字化を果たした。この実績を買われ、13年10月に事業譲渡の話が持ち込まれた。

ただ、ラグーナ蒲郡の再建は、当初からハウステンボスよりも難しい案件だと考えられていた。まず、ハウステンボスよりも圧倒的に規模が小さい。ハウステンボスの面積は152万平方メートルと、国内の単一テーマバークで最大規模を誇る。一方、ラグーナテンボスは、ラグナシアなど各種施設、隣接するビーチを足し合わせても約30万平方メートル。面積はおよそ5分の1にとどまる。この狭さでは、ハウステンボスで成功した、イルミネーションの圧倒的ボリューム感で勝負するのは難しい。

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