赤プリ再開発名称に「紀尾井町」が加わる事情 ロゴマークから連想される"あの家紋"とは

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赤坂プリンスホテル跡地の再開発遠景

新たに加わった「紀尾井町」の文字――。9月16日、西武ホールディングスの傘下にある西武プロパティーズは、東京・紀尾井町の東京ガーデンテラスの上棟式を行った。あの赤プリ(グランドプリンスホテル赤坂)跡地の再開発計画である。

西武HDでは今回の上棟式に合わせてタウンネーミングを変更。「東京ガーデンテラス紀尾井町」と「紀尾井町」が末尾に加えられた。「由緒ある立地特性を強調するため、上棟式に合わせタウンネーミングを東京ガーデンテラス紀尾井町にした」。上棟式に臨んだ後藤高志・西武ホールディングス社長はそう説明した。

消えた「紀尾井町」、新ロゴマークとともに復活

そもそも西武HDでは昨年12月、「立地特性、周辺環境、施設特性をわかりやすく表現する」(同社)という理由で、タウンネーミングを「東京ガーデンテラス」に決定していた。当初は「紀尾井町プロジェクト」という名称で始まっていたが、この時点で「紀尾井町」といは再開発の名称から一度消えた。しかし所在を表現する言葉が「東京」だけで、どこにあるのか分かりにくいという声が出ていた。そうしたことも考慮したのか、開業1年前の上棟式のタイミングで「紀尾井町」を加えたのだ。

むしろ今回の改名には、「紀尾井町」を強調するフシもある。同時に発表されたロゴマークとしては、徳川家の家紋である三つ葉葵を彷彿とさせるデザインが披露された。そもそも紀尾井町は、紀伊徳川家、尾張徳川家など徳川家ゆかりの大名屋敷があった街。そうした格式や豊富な庭園のある街のイメージを踏襲しつつ未来志向の街を目指す、というメッセージが込められているという。

上棟が終わり、建物の骨格ができあがったことで、外壁や内装等の工事は本格化する。この日もすでに内装までできあがった10階のフロアが公開された。2016年夏の完成を目指しようやくメドがついてきたという印象だ。

そもそも約3万平方メートルの土地に、36階建てのオフィス・ホテル棟、21階建ての住宅棟を建設する計画で、延床面積は22.7万平方メートルと大規模。11万平方メートルのオフィスのほか、250室のホテル(ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町)、135戸の住宅、レストラン、スーパーマーケットなどの商業施設が作られる。オフィスについては、すでにヤフーが24フロアのうち20フロア分に入居することが決まり、残り4フロアについても引き合いが多いという。

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