大丸松坂屋が一等地の再開発で目指すもの

東京銀座と大阪心斎橋でビッグプロジェクト

銀座エリアに誕生する最大級の複合施設の狙いを語った山本良一社長。
2015年上半期、全国の百貨店売り上げは2兆9812億円と前年から約2.3%減った。単月ベースでは2月、4月、5月は前年比でプラスに転じたが、6月は再びマイナス。消費税増税の落ち込みからの回復は一進一退だ。一方、上半期は訪日外国人が46%増の914万人と過去最高を記録して右肩上がり。こうした追い風をどう生かすか。大丸と松坂屋を抱えるJ. フロント リテイリングの山本良一社長に聞いた。

 

──免税品の売り上げの伸びが著しい。

ビザの発給要件緩和や円安を背景として、中国人を中心に、日本を訪れる外国人客が急増している。これまでは春節休暇中などが盛況だったが、今はオールシーズンだ。2013年度に64億円だった免税品売り上げ(大丸と松坂屋の合計)は、2014年度に151億円まで伸びた。

2015年度の第1四半期(3~5月)の売り上げは90億円と予想を上回るペースで着地したため、通期の見込みを250億円から350億円に引き上げた。中でも、大丸心斎橋店の免税品売り上げは前年同期比5倍で、その売り上げ規模は全体の21.6%に達している。

中国の株価急落で懸念されているが、6月、7月も好調だ。ただ今後、時間差で影響が出てくるのかどうかを注視する必要はある。

──一方で、富裕層向けの高額品と免税品以外のボリュームゾーンの商品が苦戦している。

一般カード顧客の消費動向を見ると、単価は上昇、客数は横ばいだが、1人当たりの買い上げ点数が落ちている。昨年は消費増税など物価上昇に伴う実質所得の減少が響いた。今年に入って、ベースアップや賞与の増加といった動きが徐々に見られ、持ち直しに期待している。

変化に素早く対応しなければならない

──そのボリュームゾーンの中で婦人服が苦戦ぎみだ。

婦人服は、H&Mなどのファストファッションの台頭や、ネット通販、郊外ショッピングセンターなど競争が激化している。百貨店は、女性衣料の在り方を見つめ、変化に素早く対応していかなければならない。たとえば今は、ガウチョパンツ(ふくらはぎ丈のゆったりしたズボン)が流行している。これまでになかったアイテムなので、新しい着こなしを積極的に提案していく。

一方で紳士服が堅調なのは、個人的な仮説だが、共働き世帯が増加していることが背景にあるのではないか。かつては30代後半から40代向けの紳士服は売れ行きが鈍かった。住宅ローンや子供の教育費などにおカネがかかり、お父さんの服は後回しにされた。今は共働き世帯で収入が増加し、男性は自分の欲しいものが買いやすくなっている。街を歩く若い男性を見ても、良いスーツを身につけていておしゃれになっていると感じる。

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