大丸松坂屋が一等地の再開発で目指すもの

東京銀座と大阪心斎橋でビッグプロジェクト

──旧松坂屋銀座店の跡地を含む敷地(9080㎡)で進行中の再開発プロジェクトの位置づけは。

山本良一(やまもと りょういち)/1951年生まれ。1973年大丸入社。2003年大丸社長、2010年大丸松坂屋百貨店社長などを経て2013年からJ. フロント リテイリング社長

銀座エリア最大級の複合施設が2016年11月にも竣工する。事業者は当社に加え、森ビル、住友商事、L Real Estate(仏LVMH系の不動産ファンド)の4社。上層階はオフィスで、下層階が商業ゾーンとなる。

銀座には外国人の買い物客が多く訪れ、東京五輪の会場予定地にも近い。世界の中で注目されているエリアから、「最高に満たされた暮らし」の情報を発信し、街をさらに活性化させていく。そのためには百貨店という形態にこだわるのではなく、都心型のショッピングセンターのほうがふさわしいとの結論に達した。

──大丸、松坂屋の店舗で3番目に売り上げが大きい大丸心斎橋店の本館建て替えを7月に決めた。

1933年に完成した同店は老朽化し、数年前から建て替えを検討していた。心斎橋に新たなにぎわいを創出し、地域間競争に打ち勝つための「アンカーストア」として高いレベルのサービスを提供したい。売り場面積の4割を占める本館は、今年の12月30日に営業を終了し、北館と南館は改装を実施し、営業を続ける。

通販会社に出資した狙い

銀座松坂屋跡地で進められている再開発プロジェクトの完成予想図。銀座の核となる商業施設を目指す

 ──従前から標榜している「新百貨店モデル」の成果は?

大丸・東京店では東急ハンズやICI石井スポーツ、大丸・梅田店でもユニクロやポケモンセンターオーサカなど、これまでの百貨店にはなかった店を入れて、新しい客を呼び込むことに成功した。建て替え中の松坂屋上野店南館も(2017年秋開業予定)、2012年に子会社化したパルコや、シネマコンプレックス、オフィスがメインの複合施設になる。

──旧ソニープラザへの出資(2011年)や、パルコの子会社化(2012年)など、マルチリテーラーとしての取り組みも積極化するのか。

百貨店を中核としつつ、領域を広げていく。今年、通販の千趣会に22.6%出資し、持ち分会社化した。同社はオリジナル商品の開発を得意としており、ネット販売の比率が7割を超えている。双方の強みを持ち寄り、シナジーを発現させていきたい。

(撮影:尾形文繁)

「週刊東洋経済」2015年8月8-15日号<8月3日発売>「この人に聞く」を転載)

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