「『ぶぶ漬けどうどす?』と言われたら終わり」「住所で『洛中マウント』をとられる」噂のイケズ文化…京都人は本当に“意地悪”なのか?
B:映画の中で、家にあがってと言われたり、褒められたり、ものをもらったりしたとき、好意だと素直に受け取ってはいけないと主人公が助言されますが、そうなんでしょうか。
D:いや、それは気持ちとして受け取っていいと思いますよ。わからなければ尋ねて、しきたりを学べばいいんです。映画の主人公は許可も得ないでいきなり店内の写真を撮るような、京都と関係なくマナーを知らない人だから。

実際に「ぶぶ漬けどうどす」と言う人はいない?
C:京都のお母さんは「とりあえずニコニコしておいて、陰で舌を出しておけばええねん。それが処世術というもんやで」と話していました。また、「好きにおしやす」と言うことも。私には関係ないからあなたの好きにしたらいいという意味です。
京都では、よその領域に立ち入らないほうがいいという話もよく聞きますね。たとえば、家の前の掃き掃除をするとき、隣家との境界を決して越えず、自分のところだけ掃くのが正しいやり方なのでしょうか。
A:自分の家の前だけ掃いて、お隣さんのところは掃かないのが正解と私は思っています。
D:私はちょっとわからないです。そういう話を聞いたことがないし難しい問題ですね。やってあげるのも親切やけど、かえって差し出がましいみたいなことなのか……。
C:私は掃かないです。それは京都人の優しさというよりも私の仕事ちゃうから(笑)。
D:あるお店では、向こう三軒先まで掃くと伺ったことがあります。一般の家と商売をやっているところとは考えが違うのかもしれませんけれど。
――そのへんも京都における選択の難しさかもしれないですね。
C:ちなみに「ぶぶ漬けどうどす?」と言われたことあります?
A、 B:ないです(笑)。
D:私も言ったことも言われたこともないです。
C:「京都のお母さん」と私が呼んでいる恩人の、亡くなったお父さんは大正生まれで、来訪者に必ずぶぶ漬けをご馳走していたそうなんです。京都の母は「京都人は、そんなことを言って人を試すことはしいひん」と言っています。
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