「『ぶぶ漬けどうどす?』と言われたら終わり」「住所で『洛中マウント』をとられる」噂のイケズ文化…京都人は本当に“意地悪”なのか?
A:映画では女将さんたちが横並びを気にしていましたが、私は、雑誌の特集で何件か同時に掲載するときに、老舗のお店の方に、他にどこが載るか聞かれたことがあって。あそこと並んで載るならうちは載せたくないと断られたことがあります。歴史ある老舗とニューオープンしたお店が同じ誌面に載るのはいやだと言われて……。

「歴史の長さ」がプライドの高さに
――歴史をアイデンティティにしているイメージもありますよね。創業の古さをリスペクトするような。
C:記事を書くときに創業年は必ず書きます。それは読者にもやっぱりウケがいいからですが(笑)。
B:絶対書くと私は決めてはいませんが、必ず調べます。300年の歴史があるところと、最近になってできたところでは、お話のトーンが違うと思うので。ただ、伝統があることはとてもすてきなことですが、新しいからダメということもないですよね。逆に最近は、新しい京都を求めるメディアさんもあるので、新しいお店を取材することも増えました。京都の人は新しいものも好きですし。
A:私も創業の年は調べていきます。迷うのは、「老舗」とは何年からのことを言うのかということです。100年を超えていないと「老舗」とは京都では言ってはいけないイメージがあって。70年ぐらいのお店だと「老舗」と書くことをお店の方から遠慮されることがあります。「100年も経っていないうちを老舗と書くのは、300年以上の老舗さんに対して申し訳ないから書かないでください」と言われたことがあります。
C:私は『京都時代MAP 伝統と老舗編』(新創社)という本をバイブルにしていて、それに載っていたら老舗と書いています。
D:歴史があればそれだけ面白い話も聞けますから、好奇心はそそられますよね。そういう意味では創業年は面白いと思います。新しいお店でも、老舗っぽく見せたり、京都っぽく見せたりしているだけではなく、誠実にこれから100年続けていきたいと思う気持ちが大事だと思っていて。そういう新しいお店は応援したくなります。
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