逆に言うと、その場で卓を囲み数時間を共にするメンバーは、とても密接な濃い時間を共有することになります。勝ち逃げ・負け逃げは許されないし、いつも集中して相手の挙動に注意を払う必要がある。一方で、ピリピリさせないための世間話の話術も必要。SNS的な「都合のいいときだけゆるくつながる」ことが許されない、とても人間くさい関係がそこには立ち上ります。これもまた実際のビジネスと似通っている点。目の前の人とイヤでもコミットする粘り強さを鍛えることができるでしょう。
麻雀はゲームですから、仕事以上に勝ち負けがハッキリし、そこに人柄が出ます。勝ち方がスマートで上手に気を使える人、負け方が汚くあれこれと言い訳を並べる人。意外な人が負けず嫌いだったり、職場では決断力がある人が麻雀では優柔不断だったり。チャンスになると無口になる、すぐに慌てる(テンパるというのはもともとは、麻雀用語です)など、普段の仕事では隠れている意外な人間性が、麻雀を通して垣間見えることでしょう。
麻雀は囲碁や将棋に比べて、運の要素が強いゲームです。そのため、ビギナーズラックで初心者が勝つこともあります。たとえば、囲碁や将棋の名人に対して私たちは逆立ちしても勝てませんが、麻雀であれば何百回に1回、勝てるかもしれないのです。そうした「素人のラッキーパンチ」も、ビジネスの現場ではよくあることではないでしょうか。優秀なのに結果が出ない、他人の成功を偶然としか思えない。そんな人こそ、麻雀で勝負の機微を学ぶべきでしょう。
以上、4つの観点から分析してみましたが、ピンとくるところはあったでしょうか。4人という固定されたメンバーで、人格と技量と運を濃密にやり取りする麻雀は、極めて高度なコミュニケーションスポーツで、ビジネスに必要なコミュニケーション力を養うのに効果的。だからこそ、藤田社長や勝間氏も熱心に取り組んでいるのでしょう。
社内のコミュニケーションに役立つといえばゴルフが注目されていますが、用具をそろえたり遠出をしたりと、ハードルが高いのも事実。その点、麻雀はしょせんゲームですから、身ひとつで遊べます。
最近の雀荘では、禁煙店舗が増えていますし、場代(施設利用料)もカラオケ店とほぼ同じぐらい。冒頭で紹介したエピソードのように、始めたばかりの女性も玄人はだしのベテランも、一緒に遊ぶことができるのも特徴です。
麻雀大会、ぜひ職場で取り入れてみてはいかがでしょうか。
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