
全ての教科の教科書、同じ読み方で読むのが当たり前だと思っていませんか(写真:Fast&Slow/PIXTA)
実は「多くの日本人が、教科書さえきちんと読めていない」そんな衝撃の結果が、50万人以上が受検したリーディングスキルテストの結果から明らかになりました。
30万部を超えるベストセラーとなった『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』の待望の続編『シン読解力』では、シン読解力(教科書を正確に読み解く力)と学力やビジネスとの関係を明らかにします。
慶應義塾大学経済学部教授で、メカニズムデザインのビジネス実装を手掛ける坂井豊貴さんに、学ぶための言語、すなわち「学習言語」を獲得する大切さについて聞きました。
経済学は「経済学語」によって成り立つ
本書(『シン読解力』)を読んで印象的だったのは、算数、理科、国語、社会、これらの教科書は、すべて読み方を変えなければならないという著者の新井紀子氏による指摘です。
私は経済学者で、経済学の言葉を使って物事を説明するという仕事をしています。
特にテレビで話すときは、論理式もホワイトボードも使わない説明になり、そのときの私は、「経済学語」を話しているという感覚がとても強いのです。
経済学では、人を「消費者」「生産者」という単語に分類します。政治学者ならば「政治家」「有権者」に分類するでしょう。人間は多面的な存在です。
しかし経済学は経済、政治学は政治という断面から人間を見ます。両方とも割り切りなのですね。
私は選挙制度の設計をひとつの主な研究対象としており、経済学者としては、政治学に近しい位置にいます。すると経済学と政治学について、頭の使い分けが必要なときがあります。その頭の使い分けは、言語の切り替えのようなものなのです。
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