本は読むのに算数の文章題が解けないのはなぜ?わが子の学力を劇的に変える「教科別読み方」とは

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私も日常的に生成AIをよく使います。特許取得のためのアイデアを書いて、AIと相談するのです。そうすると、AIはこういう点が画期的だ、こういう感じの明細書を書けば特許になるのではないかと答えてくれますし、ビジネス化のための座組なども相談します。もちろん間違いもあるけれど、的確にポイントは突いてくるし、壁打ちの貴重な相手です。

生成AI時代にこそ必要な「読む力」

壁打ちでは、AIは論理的に説明してくれますが、文章は長いですし、きちんと読む必要があります。私はかなり本を読み慣れているほうだと思いますが、AIの書いた難しい内容の文章を読むと、脳に負荷がかかります。

あと、私はAIを、士業の先生に相談をする際の、事前準備によく活用しています。例えば私は、弁理士、弁護士、税理士の先生にいろいろな相談をします。AIはこれら専門家にはまったくかなわないです。

しかし、最低限の知識がある私が、スーパー百科事典のようなAIと事前にいろいろと相談しておくと、適切に論点を絞ったり、把握したりできます。すると士業の先生との、同じ1時間のMTGでも、成果が大きく上がります。

そしてこの事前準備で肝心なのが、AIが書いた長文を読む読解力なのです。また、そもそも一定の前提知識がないとそうした長文は理解できないので、勉強は大事です。

特許出願に際しては、AIに明細書や請求項を書かせてみたこともあります。それに対して、もっともらしい回答は返ってきますが、私が求める水準からすると、まったく話にならない。特許の範囲を定める請求項なんか、絶対に書かせられないです。私は特許をとり慣れているのでわかりますが、あれを見て「こりゃ話にならん」と判断できる力は大事です。

おそらく、我々は普段の日常会話で、そんなに人の言葉を論理的に処理してないと私は思っています。

むしろ、声の質や話し方にかなり影響を受けていて、論理がおかしくても、信頼性のある声で、賢そうに滑らかに話すのを聞くと、「うんうん」と反応してしまう。半ば本能的な習性があるのだと思います。

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