自民党のホープを待つのは鬼か玉座か、"鬼門ポスト"就任の小泉農水相が挑む「コメ問題」の先に待つ《総裁への試金石》

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森山氏は石破首相や小泉氏と親交が深く、昨年秋の自民党総裁選以降も両氏との緊密な連携を維持してきたとみられている。このため、強固な結束を誇る自民党農林族の中からも「これからは農協改革に抵抗しにくくなる」との声も漏れてくる。

ただ、多くの農林族議員にとって、それぞれの選挙区の農協や農家の支持こそが当然の大前提だけに、「落選すれば元も子もないのが本音」とされる。

そのため、自民党にとっても「農民票を失うのと、国民に評価されるのと、どっちがトクか」という難しい判断を迫られることになり、党を分断する要因にもなりかねない。

「鬼門」であり「試金石」、小泉氏を待つ運命はどちらか

そうした中、突然「政局の主役」ともなった小泉氏にとって、「今回の農相就任が、いったんは消えつつあった次期総裁候補への突破口になる」との見方も出始めている。

小泉氏自身もそれを意識しているとされ、「ここで結果を出せれば、近い将来の総裁選挑戦・当選に向けて弾みがつくと意気込んでいる」(小泉氏周辺)とみられている。

ただ、過去の歴史を振り返ると「自民党政権にとって農水相ポストは鬼門」というアノマリー(経験則)もある。2000年以降、33人(重任や臨時代理を除く)のうち江藤氏を含む約10人が失言や不祥事で引責辞任しているからだ。最近でも、2023年に当時の宮下一郎農水相が自民党派閥パーティー収入不記載事件を受けて、辞任に追い込まれている。

小泉氏も、SNSなどで「小泉構文」と揶揄された過去の不可思議な発言で知られている。それだけに、「今回の農相就任が吉と出るか凶と出るかは、この1カ月で結果が出る」(政治ジャーナリスト)との声も漏れ聞こえる。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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