参院選後を見据えて"3頭体制"が復活か、岸田前首相「まさかの再登板説」にザワつく混沌政局の行方

7月20日の投開票がほぼ確実視される参議院選挙の公示(7月3日)まであと3週間余り。実質的な国会会期末となる6月20日に立憲民主党が内閣不信任決議案を提出するかどうかが、目下の政局の最大の焦点となっている。
だが、決断を迫られる同党の野田佳彦代表は「総合的に判断」と繰り返すばかり。永田町関係者の間では「提出見送りの公算大」との見方が広がり始めた。
もともと、会期末の「不信任勝負」に慎重だった野田氏は、石破茂首相からの「不信任案が出れば即解散で衆参ダブル選」という“脅し”なども踏まえて、「トランプ関税での日米交渉中に政治空白をつくるのは国益を損なう」との理由で、不信任案の提出を見送る意向を固めつつあるとされる。
その背景には、主要野党に共通する「ダブル選の準備ができていない」との不安があることは間違いない。加えて、コメ価格引き下げに向けた小泉進次郎農水相の大活躍で、内閣支持率と自民党支持率が上昇傾向となっている。各種メディアなどの参院選の事前情勢調査でも「自公が過半数確保で石破政権続投」との予測が多数派となりつつあり、「不信任案提出に対する野党の及び腰を加速させている」(政治ジャーナリスト)という。
「石破首相の“生殺与奪”は私の対応次第」
こうした不信任案をめぐる駆け引きの裏でにわかにざわめきが広がっているのが、岸田文雄前首相の活発な動きだ。岸田前政権時代に「3頭体制」と呼ばれた麻生太郎最高顧問、茂木敏充前幹事長との関係を再構築する一方で、「ポスト石破への意欲をにじませている」(旧岸田派幹部)からだ。
岸田氏自身は建前上、「石破政権を支えるのが私の責任」と繰り返す。だが、政権の主要幹部のほぼ全員と関係が深いことへの自信からか、周辺にも「石破首相の“生殺与奪”は私の対応次第」と漏らしているとされる。
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