
対するAreneではどうか? これまで複数あった専用プログラムと構成部品、そしてそれらをつなぐミドルウェアが、AreneではToyota Safety Senseとしてひとつの専用プログラムと構成部品で済み、さらにミドルウェアの役割もAreneが担う。よって開発リソースの選択と集中が可能になる。
新型RAV4では、このToyota Safety Senseと、コクピット(ナビ情報が表示されるセンターディスプレイ)の設計にAreneを用いているが、将来的には車両の全アプリケーションをArene上で制御する。
Areneによるユーザーのメリットは?
たしかにAreneを用いれば開発時間が短縮され、わかりやすくコストも削減できる。しかしユーザーであるRAV4オーナーのメリットはどこにあるのか?
「Areneは、開発キット/データ収集・分析基盤/ソフトウェア検証・評価ツール、この3つの構成要素で成り立っており、これらを活用することでソフトウェアの開発期間が短縮され、これまでよりも早く、世界中のお客様にもっといいクルマをお届けできます。ここがお客様への提供価値のひとつです」と語るのは、トヨタでAreneの開発を担当する技術者だ。

たとえばAreneを搭載したRAV4から走行時に得られる光学式カメラや各種センサーからの情報を、トヨタ側のデータセンターで処理し、ソフトウェアのアップデートに活かす。つまり、Arene上でToyota Safety Senseがひとつのアプリ群として稼働するため、アップデートが容易に行えるようになるという。
しかし、Areneを搭載していない現在のToyota Safety Sense装着車であっても、光学式カメラの情報は個人を特定しないことを条件にトヨタのデータセンターに送られ、機能アップデートに役立てられ、すでに有償サービスとして提供されている。
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