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待望の「ヒット商品」を出したのに”経営危機”に陥る企業の落とし穴 「うちはこの商品で、当面は食べていける」「俺は成功した」はNG!

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  • 大坂 靖彦 ビッグ・エス インターナショナル代表取締役
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さらに、このマッチングサイトを構築できるシステム自体を商品化して、横展開で販売する事業にも乗り出し、数年のうちに年商が5倍以上に急成長したのです。

安易な「猿マネ」では失敗する

ただし、ここで注意していただきたいのは、ビジネスの模倣は、表面的に同じことをするだけの「猿マネ」ではあってはならないということ。

まず、そのビジネスを実際に利用したり、新聞やネットで徹底的に調査したりして、どのような事業環境の中で、誰に対して、どんな価値を提供することで成立しているのかを構造化して把握します。ビジネスモデルの把握といってもいいでしょう。

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次に、そのビジネスモデルの成功を成り立たせている構成要素を洗い出します。

そして、それらの要素を分類したり、極大化・極小化したり、組み合わせたりして、自社のリソースとかけ合わせて、どう取り込むのかを考えるのです。

その際にポイントとなるのが、自社のリソースで運営できるかという点です。

例えば、ビジネスによっては、利幅は大きくても、売掛金の回収期間が長くて資金が寝てしまうというモデルもあります。そういうビジネスでは運転資金がたくさん必要になりますが、自社ではそれが確保できるでしょうか。

固定費比率が高いビジネスモデルだったら、売上が損益分岐点を超えれば、売れれば売れるほど利益割合は増えますが、もしなんらかの事情で売れない時期があったとしても固定費は支払わなければなりません。損益分岐点を超えるまでは赤字になるので、その期間の資金は用意できるでしょうか。

店舗に販売員が必要なら、それを担当できる社員はいるでしょうか。新規採用するなら、教育できるマネジャーや店長を任せられる人材はいるでしょうか。

商品の仕入れ、資材の調達などのルートは開拓できるでしょうか。開拓できたとして、取引条件の契約を自社の望む内容にできるでしょうか。

これらはほんの一例ですが、そういったすべての要素をまかなうリソースがあるかどうか、それが会社の実力です。

参考とするビジネスモデルのエッセンスを、現在の自社のリソースや実力を踏まえたうえで、調整・応用して自社に採り入れられると判断できたなら模倣は試みるべきです。

自社の実力を踏まえない単なる表面的な猿マネでは、失敗するのは必定です。

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