「自分もいつかは死ぬのだから」親の認知症で資産凍結!?「ウチは大丈夫」が招くマイナス相続の罠と相続税爆弾

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アルツハイマー型の進行段階を知るにあたっては、日常生活動作の出来・不出来を7段階で分けた「FAST分類」が参考になるという。ちなみに著者の父親が回復した時期の認知症はStage4程度だったようだ。

預貯金の相続手続きにはとくに期限はないが、相続税の申告・納付期限の10カ月以内が目安になる。相続時に認知症が初期段階であれば、すぐに行えばいいし、著者の父親のような状況ならば、慌てずに様子を見ればいいということだ。

自分もいつかは死ぬのだから

冒頭に、親が他界するまでは相続のことをほとんど真剣に考えたことがなかったと記した。それは事実であるのだが、本書をじっくり読み込んでからこの原稿を執筆していたら、違った思いが頭のなかを覆った。

よくよく考えてみれば(よくよく考えてみなければ気づかないという時点でマヌケなのだが)、自分の環境にあてはめてみた場合、これはむしろ私ではなく私の子どもたちにとって切実な問題なのだ。すでに相続に関する知識を息子や娘は持っているかもしれないが、それでも念のために読ませる必要はある。

なぜなら、私だって必ず死ぬのだから。ましてや最期が明日ではないという保証すらない。そしてそれは、どんな方にもあてはまることでもある。だからこそひとごとと片づけず、本書に目を通してみるべきだと痛切に思うのだ。

印南 敦史 作家、書評家

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いんなみ あつし / Atsushi Innami

1962年生まれ。東京都出身。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。「ライフハッカー・ジャパン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」「文春オンライン」などで連載を持つほか、「Pen」など紙媒体にも寄稿。『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)、『先延ばしをなくす朝の習慣』(秀和システム)など著作多数。最新刊は『抗う練習』(フォレスト出版)。

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