「自分もいつかは死ぬのだから」親の認知症で資産凍結!?「ウチは大丈夫」が招くマイナス相続の罠と相続税爆弾
親が認知症になると、金融機関は預貯金の遺産相続に応じなくなる――前項で触れた事態に著者が陥ったのは、亡くなった母親の預貯金を相続するにあたり、金融機関に連絡を入れたときのこと。
その際、相続人である父親が認知症であることを伝えたことが、すぐに大きな後悔となったのだそうだ。
末期がんの母が死去したとき、父は腰の圧迫骨折で入院しており、認知症の症状も悪化していました。
そのため私は、金融機関に「相続人の父が認知症である」ことを正直に伝えたのです。その結果、「そうであれば、不可能です」と言われます。
しかしその後、父が退院すると、症状は改善し、普通に会話もできるようになっていました。(30ページより)
認知症の基本を学んで正しい知識を持つ
預貯金を相続するときは、金融機関側に「遺産分割協議書」を提出する。そこには、相続人全員の署名と実印の押印が必要になる。
父親の症状が悪化していたとき、著者は「親父に書くことはできない」と判断したようだが、その後の回復ぶりを目にした結果、「症状の改善を待って、署名できるか否か、確かめるべきだった」と後悔したそうだ。
金融機関に、父が認知症であることを伝えた際、「認知症であっても、ご本人は署名などはできますか?」とは一切聞かれませんでした。「認知症=遺産相続の手続きは認めない」とルール化されているのでしょう。しかし、認知症の症状は段階を踏んでいきます。正常な判断ができる時期はあるのです。それだけに、今、どのような状態なのか、しっかり子どもが見極めることが大切なのです。(30〜31ページより)

『マイナス相続サバイバルガイド』31ページより
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