「自分もいつかは死ぬのだから」親の認知症で資産凍結!?「ウチは大丈夫」が招くマイナス相続の罠と相続税爆弾

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しかし、この基礎控除額が、2015年に法定相続人が2人の場合で「4200万円」へと大幅に引き下げられたのです。1人の場合で「3600万円」です。
その結果、今現在、10人に1人は相続税が発生する事態になっており、東京都に限れば約2割です。(「まえがき」より)

つまり“金持ちの税金”どころか、もはや相続税は「普通の税金」になっているということだ。

遺産相続に無関心でいると、借金を引き継いだり、防ぐことのできる相続税を発生させたり、親の家(家屋・土地)が売れなくなったり、兄弟姉妹間での遺産トラブルを招くといったリスクが高いのである。

本書のタイトルが「サバイバルガイド」となっているのは、そうした理由があるからだ。上記のような“マイナス相続”を解決するために必要なことが詰め込まれているわけである。

たとえば働き盛りのビジネスパーソンにとって、「親の状態」は気になるところではないだろうか。親が認知症になったりしたら、遺産相続はいっさい進まなくなってしまうのだから。

「親が認知症になるわけない」思い込みが災難を招く

著者の父が認知症の検査を受けたのは2012年8月で、そのとき医師から「71歳だった2010年ごろに、アルツハイマー型の認知症を発症した疑いがある」と診断されたのだという。しかし、父親が認知症であることを著者が知ったのは2013年だったのだそうだ。

行動や言動がおかしいと感じた場面は何度かあったものの、「疲れているのかな?」くらいにしか考えなかったのだという。そのため3年もの間、異常に気づかなかったのだ。

「親父が認知症になるわけがない」と思い込んでいたのです。当時、私の周りに認知症になった人はいませんでした。これも「うちの親に限って」というバイアスを助長させました。(26ページより)

もし「気がつかないのがおかしい」と思われたとしたら、それは大きな間違いである。程度の差こそあれ、誰しも似たような思いを抱いているはずだからだ。

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