東京でも開催「フォーミュラE」は“F1超え”のモータースポーツになれるのか?

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「東京E-Prix」の前戦である「モナコE-Prix」を取材し、フォーミュラEの今を見た(筆者撮影)
「東京E-Prix」の前戦である「モナコE-Prix」を取材し、フォーミュラEの今を見た(筆者撮影)

「私の夢は、フォーミュラEを世界最大のモータースポーツに育てることだ」

EVの世界選手権「フォーミュラE」のジェフ・ドッズCEO(最高経営責任者)が、シリーズ11の第6戦/第7戦「モナコE-Prix」で、筆者の質問にそう答えた。単なる夢ではなく、各種データに基づくビジネス戦略としての可能性を示した形だ。

次の4~5年間で2輪の世界最高峰「MotoGP」を事業規模で抜き、さらに「F1」に匹敵する規模と認知度を獲得するため、多様な戦略を練っているという。

モナコでインタビューに応じてくれたフォーミュラE、ジェフ・ドッズCEO(筆者撮影)
モナコでインタビューに応じてくれたフォーミュラE、ジェフ・ドッズCEO(筆者撮影)

今回、南フランスのニース・コートダジュール空港からクルマで約45分。世界屈指の高級住宅地で独立都市国家のモナコ公国で、フォーミュラEの経営幹部や参戦チーム関係者に取材し、フォーミュラE“大化け”の可能性を探った。

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日産、ポルシェ、マヒンドラにローラ/ヤマハまで

モナコといえば、F1モナコGPを思い出す人が多い。今年も5月23~25日にかけて開催される。

今回のモナコE-Prixはその3週間前、F1と同じ全長3.3kmの市街地コースで5月3~4日に開催された。3日と4日それぞれで予選と決勝を行うダブルヘッダーだ。

初日の予選と決勝の間に「エレクトリック・ラップ」と称される最新EV量産車での同乗走行が行われ、筆者もマセラティ「グランツーリスモ フォルゴーレ(イタリア語の稲妻)」で体験したが、EVをリアルスポーツカーとして位置付けている欧州の社会風土に対して、日本との大きなギャップを感じた。

エレクトリック・ラップを走ったマセラティ「グランツーリスモ フォルゴーレ」(筆者撮影)
エレクトリック・ラップを走ったマセラティ「グランツーリスモ フォルゴーレ」(筆者撮影)

フォーミュラEのマシンは、シリーズ初年度から数えて第3世代となる「GEN3」の進化版、「GEN3 EVO」が用いられている。車体はワンメイクで、チームはバッテリーを除くモーターや制御システム、それにともなうリアサスペンションの一部などをオリジナルで開発できる形だ。

現在、フォーミュラEにパワートレインを提供しているメーカーは、日産、ポルシェ、ステランティス、ジャガー、マヒンドラ、ローラ/ヤマハである。

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