東京でも開催「フォーミュラE」は“F1超え”のモータースポーツになれるのか?

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筆者は4月に行われたF1「鈴鹿グランプリ」も現地で観戦したが、最新F1と比べるとフォーミュラEのGEN3 EVOは、“ふたまわり小さく”見える。特にフロントビューが、その印象を強くする。見方を変えると、近年の“F1がとても大きい”ともいえるだろう。

第6戦のポールポジション、日産フォーミュラEチームのオリバー・ローランド選手のマシン(筆者撮影)
第6戦のポールポジション、日産フォーミュラEチームのオリバー・ローランド選手のマシン(筆者撮影)

フォーミュラEマシンの駆動方式は4WD(4輪駆動)で、走行状況によって4WDとRWD(後輪駆動)を使い分ける。予選の一部、決勝スタート、そして「アタックモード」の3つのシーンで、4WD走行を行う。

予選は、全体をA/Bの2グループに分け、上位4位が準々決勝へ。ここからは1対1のワンラップ対決となり、準決勝、決勝へと進む。準々決勝以降が、4WD走行だ。

フォーミュラEでは、こうした駆動力の変化への対応が勝負の決め手となる。

たとえば、5月3日(土)開催の第6戦で予選トップのポールポジションを獲得したテイラー・ベルナルド。昨年のモナコE-Prixで、フォーミュラE史上最年少の19歳でデビューした新進気鋭のドライバーだ。

所属する「NEOMマクラーレン」のチーム代表、イアン・ジェームス氏は「彼は生まれ持った感覚で、4WDとRWDそれぞれで、その時の路面状況を的確に検知できる」と、ドライバーとして資質の高さを強調した。また、「チームとのコミュニケーションや、競技中の感情のコントロールもうまい」という。

「マリオカート」に着想を得たアタックモード

決勝中のアタックモードは、ドライバーがステアリングスイッチで作動の意思を示した後、コースの一部のアウトラインに埋め込まれた3つのデータ発信ポイントをすべて通過すると、最大出力が300kWから350kWにアップすると同時に4WDになるというもの。

エンジンのないEVのため、レース中の騒音が静かであることも都市型レースに向いている(筆者撮影)
エンジンのないEVのため、レース中の騒音が静かであることも都市型レースに向いている(筆者撮影)

フォーミュラEの共同創業者で、チーフ・チャンピオンシップ・オフィサーのアルベルト・ロンゴ氏は「ゲームのマリオカートからインスピレーションを得た」と、F1では考えられないような発想を実現したと話す。

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