時計の針を少し戻すと、筆者は2014年1月、アメリカ・ネバダ州ラスベガスで開催された世界最大級のIT・家電見本市「CES(コンシューマ・エレクトロニクス・ショー)2014」で、フォーミュラE初期モデルによる世界初のデモンストレーション走行を見た。
正直なところ、その際は主催企業が新進気鋭であり「マユツバもの」という印象があった。その後も、前述のアタックモードや、現在は廃止されたファン投票でパワーアップができる「ファン・ブースト」など、モータースポーツの王道と乖離するレギュレーションを含めて、フォーミュラEの持続的な成長には懐疑的だった。

それが2020年代に入り、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻、そしてトランプ氏の返り咲きなど、世界的な政治・経済の劇的な変化により、自動車産業やモータースポーツが大きな転換期を迎える中で、フォーミュラEが次世代モータースポーツに向けた“変化のバロメーター”になっている。
さらなるエンターテインメントへ
ドライコンディションでピット・ブーストを採用したモナコ第6戦、そしてウェットコンディションとなった第7戦。いずれも、予選から決勝まで展開は激しく、レースの行方が予想しづらい、まさに幅広い層が楽しめるエンターテインメントであった。

次戦の第8戦/9戦は、昨年に続き2回目の開催となる東京E-Prix(5月17~18日)となる。 東京・有明地区、東京ビッグサイト周辺の市街地で戦われるレース、きっと観戦者を楽しませてくれるレースとなるだろう。
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