東京でも開催「フォーミュラE」は“F1超え”のモータースポーツになれるのか?

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こうしたフォーミュラE独特のレギュレーションについて、日産のチーム代表であるトマソ・ヴォルペ氏は「現在のパワートレイン制御は非常に複雑な機構になっており、日産の技術本部の協力が以前よりも強くなっている」と説明した。

日産といえば4月に経営陣が刷新されているが、チーム関係者によれば、エスピノーサCEOは以前からフォーミュラEをサポートする立場におり、昨年に公開した2030年までフォーミュラE参戦を継続の方針に変更はないという。

それを裏付けるように、シリーズ13(2026-2027)に導入予定のGEN4(第4世代)のテスト走行が、今回の取材の翌週前半に実施されることが明らかになった。

F1より10歳若い顧客に向けて

GEN4は、GEN3 EVOと比べてモーター出力が2倍となり、ボディサイズが大きくなり、空力効果が増す。また、走行中は常時4WDとなる。

ロンゴ氏によると、「GEN4のパフォーマンスは、現行のF1とF2(またはスーパーフォーミュラ)の中間」とのことだ。

GEN3 EVOの加速性能は、停止状態から時速100kmまでが1.82秒とすでにF1をしのぐが、GEN4では最高速度とコーナーリング速度でF1にかなり近づく。

GEN1からGEN3 EVOまでのスペック比較表(日産自動車)
GEN1からGEN3 EVOまでのスペック比較表(資料:日産自動車)

そのうえで、決してF1をベンチマークとしたパワーアップや性能構造を想定していないともいう。なぜならば、量産型EVでの技術進化に連動するからだ。

バッテリーについては、いずれかのタイミングで全固体電池を採用し、バッテリーの重さを低減することを目指すという。

レース距離とレース時間については、フォーミュラE独自の調査結果から「若い年代は1時間以内のレースを望む傾向がある」と分析している。F1と比べると、フォーミュラEの主な顧客層は10歳ほど若い20〜30代だ。

また、今シーズンから試験的に導入している、レース中の急速充電によるピットストップ義務付けについても、急速充電とバッテリーの技術進化に応じてレギュレーションを変更する可能性を示唆した。

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