咳や鼻炎だけじゃない!血管を襲う黄砂やPM2.5で心筋梗塞発症リスク増「注意すべき人」の特徴5つ――マスクや空気清浄機は?

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病気との関連について、小島さんは「黄砂やPM2.5は鼻や口から取り込まれると、肺の最深部である肺胞にまで行きつくほか、血管にも入り込む可能性が指摘されている。肺や血管に侵入することで、体内で炎症が引き起こされ、呼吸器疾患や循環器疾患のリスクを高める可能性があるのです」と説明する。

桜十字八代リハビリテーション病院副院長・熊本大学客員教授 小島淳さん

なかでも、慢性腎臓病に罹患している人は、もともと体内で酸化ストレス(細胞のダメージ)や炎症といった生体に悪影響をもたらす反応が進んでいる。このため、「黄砂への曝露がこの反応を後押しすることで、より急性心筋梗塞を起こしやすくしている可能性が考えられる」そうだ。

「先に挙げたリスクが複数あり、いわば崖っぷちに立っているような危険な状態にいた人が、PM2.5などの大気汚染に曝されたことによって、最後のひと押しを受けて発症してしまったというイメージだと考えています」(小島さん)

小島さんの論文は急性心筋梗塞について書かれたものだが、このほか、肺がん、脳梗塞、アルツハイマー病の発症リスク、さらには自殺者の増加ともPM2.5は関連があるといった研究結果も国内外で報告されている。

新型コロナウイルス感染症の拡大を促進する可能性があるという研究結果も報告された。

死亡に寄与するリスク要因

環境省によると、幸いにも日本では、黄砂は2000年から2002年にピークを迎えたあと、減少傾向にある。その原因としては、地球温暖化に伴い、黄砂を上空へ巻き上げる強風の頻度が減っていることなどが挙げられている。国内のPM2.5の平均濃度も、排ガス規制などの取り組みにより、減っているという。

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