咳や鼻炎だけじゃない!血管を襲う黄砂やPM2.5で心筋梗塞発症リスク増「注意すべき人」の特徴5つ――マスクや空気清浄機は?

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マラソンのような呼吸器系への負担が長く続く屋外での運動は、黄砂が飛ぶ日は避けることで影響を減らせる。

気象庁の「黄砂情報」などをチェックすれば、外出計画に役立てられる。PM2.5に関しては、ホームページで「大気汚染状況」といった情報発信を行っている自治体もある。

■気象庁 黄砂情報はこちら
■環境省/気象庁 黄砂情報提供ホームページはこちら
■環境省 黄砂飛来情報はこちら

マスクや空気清浄機は有効?

外出時は、自分の顔のサイズに合った不織布マスクなどのマスクを着用し、吸い込む量を減らすことも対策の1つだ。ただ、マスクによって性能は大きく異なる。N95など医療用や産業用のマスクは吸入量を大幅に減らせるものの、息苦しいという難点がある。

屋内では窓の開閉や換気は必要最低限にすることや、花粉やほこり、ウイルスなど空気中のごく小さな粒子を取り除くことができる「HEPAフィルター」を搭載した空気清浄機などの使用も推奨されている。

黄砂やPM2.5に対する除去効果は、空気清浄機のフィルターや性能によって異なるため、購入時には注意したい。

一方で、小島さんは「見方を変えれば、高血圧や糖尿病といったリスクを抱えていない若い人は、黄砂を吸ったところで大して影響はないかもしれないとも言えるので、あまり怖がらなくていい」とも話す。

一般的に黄砂のピークは5月までといわれる。小島さんが挙げたリスクがある人や、アレルギー症状が出やすい人は、花粉や紫外線などと同様に、こまめにチェックして対策をとることが大切だろう。

注:論文「黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増える可能性」では、「この研究では、黄砂の影響を受けて急性心筋梗塞を起こしやすくするような背景要因について検討を行い、非喫煙者の方が黄砂の影響を受けやすい可能性を示しましたが、黄砂による急性心筋梗塞の発生予防として喫煙を薦めるものではありません。これまでの疫学研究から喫煙が急性心筋梗塞の危険因子であることは明らかですので、我々は急性心筋梗塞に罹患しないために黄砂への曝露を気にするよりも、まずは喫煙を避けるべきと考えています」と断り書きが添えられている。
井上 志津 ライター

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いのうえ しづ / Shizu Inoue

東京都生まれ。国際基督教大卒。1992年から2020年まで毎日新聞記者。現在、夕刊フジ、週刊エコノミストなどに執筆。福祉送迎バスの添乗員も務める。WOWOWシナリオ大賞優秀賞受賞。著書に『仕事もしたい 赤ちゃんもほしい 新聞記者の出産と育児の日記』(草思社)。

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