資さんうどんが「東京でも通用した」のは、味の美味しさだけではない…全国進出に「失敗するうどんチェーン」「成功するチェーン」の決定的差

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麺は並盛(350g)、中盛(500g)、大盛(700g)から選べる。10分ほどで提供された「肉汁うどん」の麺は仰々しい丼に盛り付けられ、「あぁ、ボリューム感を出すための上げ底か!」と思いながら食べ進めると……上げ底でなく、下までぎっしりとうどんが入っている。

噛むと押し返されるような剛麺と、「底から湧いているの?」と言いたくなるほど肉だらけの肉汁を楽しみながら、ボリューム満点にも程がある肉汁うどんを完食した。この武蔵野うどん、満足度がかなり高い。

ただ、うどん一食の満腹感・満足度が高すぎて、天ぷら・一品料理以外のセット注文にはつながりづらい。讃岐うどんをしのぐ剛麺は女性・子供・ファミリー層に訴求しづらく、ガッツリ食べたい方はラーメン・牛丼などとの選択で迷ってしまう。このあたりが、「武蔵野うどん」がご当地うどんの域から出なかった原因だろう。

その中でも「武蔵野うどん 竹國」の麺は、剛麺ながらもしなやかさを残し、荒々しい麺の断面がしっかりとつけ汁を吸う。柔らかめの麺が好まれる地域には向かないにせよ、どこまで「武蔵野うどん」で全国展開ができるか、注目したい。

加須うどん 大島庵
加須うどん。埼玉県加須市内「大島庵」にて(筆者撮影)
耳うどん 野村屋
耳うどん。栃木県佐野市内「野村屋本店」にて(筆者撮影)

ほか関東平野では、のど越しの良い麺を冷汁のつけ汁などで食べる「加須うどん」(埼玉県加須市)、しょうゆベースの汁で煮込んだ「煮ぼうとう」(埼玉県深谷市など)、平たくした生地を耳状に練り、汁に入れる「耳うどん」(栃木県佐野市)などのご当地うどん・麺料理が存在する。

いずれも量産化やチェーン展開は難しそうだが、名店を巡って味や歴史的な背景を噛みしめるのもいいだろう。

意外と多い「ハレ需要」「献上品」のうどん チェーンストア向きではない?

全国で「5大ご当地うどん」といえば、「讃岐うどん」(香川県)のほかに「稲庭うどん」(秋田県)、「五島うどん」(長崎県)、「水沢うどん」(群馬県)、「氷見うどん」(富山県)を指すことが多い。

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