ペットのウンチの悲劇にサヨナラ!「ロボット掃除機」2025年最新事情――AI・レーザー・前方カメラでスリッパや段差などの障害も克服

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当時は、部屋を壁伝いにぐるりと1周して間取りを記憶し、内部をペンキで塗るようにジグザク掃除するものと、間取りを記憶することなく壁に当たったら跳ね返ったボールのようにランダムに掃除するものと、2パターンがありました。前者のほうが賢く見えますが、間取りの記憶に時間がかかるため、掃除時間はそれほど変わらず性能的には互角でした。

2012年のロボット掃除機。ルンバ780、Hombot(LG)、スマーボV(東芝)、LAQULITO(CCP)、COCOROBO(シャープ)、AIM(ツカモトエイム)。今と形が少し違うし、ゴミ回収充電ドックはなかった(写真:筆者撮影)

性能差は「乗り越えられる段差」で決まり、各社1.5~2cmで競い合っていました。階段や玄関など掃除機が壊れてしまうような20cmほどの段差はセンサーで見分け、落下することはありません。しかし、乗り越え方は原始的で、とりあえず乗り越えてみて、車輪が空転したら暴れて脱出するという方法だったのです。

抜け出せるかどうかは、運次第。そのため狭い部屋に多くの家具がある日本では、留守中に掃除させると段差に引っ掛かり、しょっちゅう立ち往生していたものです。

何年経っても問題解決できない“段差越え”のため、顧客もあきらめ半分。“ロボット掃除機を使うために部屋を掃除する”という本末転倒な状況になります。

また、ルンバが立ち往生しない「ルンバブル家具」まで登場します。そんな事情もあり、韓国や日本のメーカーはこぞって撤退。替わりに好景気とIT化が急速に進む中国メーカーが何社も参入し、2015年ごろから<iRobot社(アメリカ)VS中国メーカー連合>という時代になります。

進化①レーザーを使った間取り探索

そして2020年を境にロボット掃除機は、大きく進化します。まず、段差で立ち往生したら暴れて脱出という障害物の回避が、2020年あたりを境に賢くなります。

その要因は、自動車の自動運転で使われているレーザー探索LiDAR(ライダー)の搭載です。レーザーポインタをクルクル回し、レーザーが反射して戻る時間を調べ、周囲の障害物を探るというものです。

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