アマゾンはスターリンクに続くか? ついに「衛星打ち上げ」も、"暗雲立ち込める"現実…あと1年で1591機打ち上げは可能なのか?

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Amazonの衛星
アマゾンのプロジェクト・カイパー衛星網の家庭向けアンテナ。最大400Mbpsでの接続が可能で、400ドル未満で販売するといいます(画像:Amazon公式サイトより)

4月28日(日本時間29日)、アマゾンのブロードバンド衛星網「Project Kuiper(プロジェクト・カイパー)」の衛星打ち上げが本格的に始まった。

プロジェクト・カイパーは、スペースXの「Starlink(スターリンク)」、ソフトバンクグループが出資する英国の「OneWeb(ワンウェブ)」、中国の「千帆星座」に続く「衛星コンステレーション」と呼ばれる大規模衛星通信網だ。

世界で加速する衛星通信ビジネスにアマゾンが本格参入を表明してから6年、その道程にはあと1年3カ月で約1600機の衛星を打ち上げるという厳しい義務が課せられている。

なぜそのような義務を負わなくてはならないのか、また未達成の場合には何が待っているのだろうか。

ビル・ゲイツが出資した「テレデシック」

衛星コンステレーションとは、地球をくまなく覆うように設計された複数の衛星と軌道の組み合わせによるシステムだ。

実例ではアメリカのGPS衛星があり、6つの軌道に合計で24機の衛星を配置し、地球上のどこからでも常に上空に4機の衛星が見えていることで地球全体に位置情報を提供する仕組みになっている。同じ原理を通信衛星に適用すれば、地球を覆う衛星通信網ができる。

これまでの通信衛星は、BS・CSでおなじみの高度約3万6000kmに配置された「静止衛星」が中心だった。

静止衛星は3機で地球全体をカバーでき、常に上空のある方向に衛星が見えていてアンテナを固定しておけるという点で優れている。しかし衛星が赤道上空にあることから、緯度が高くなればなるほど電波が山や高い建物にさえぎられやすくなるという欠点がある。

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