TSMCが最初にアリゾナ進出を決断した背景には、22年に成立した「CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)」の存在がある。米政府は国内の半導体製造基盤を強化するため、同法に基づいて総額527億ドルの支援枠を設けた。TSMCのアリゾナ工場建設はその象徴的な案件と位置づけられ、同社はこの制度を通じて66億ドルの補助金と最大50億ドルの融資を受ける見通しだ。

アリゾナ工場は1棟目が2024年末に稼働を開始(写真:TSMC)
顧客からのプレッシャーも
製造業の国内回帰を求めるトランプ政権の方針を受け、TSMCに生産を委託する米エヌビディアやアップルなども米国内におけるTSMCとの付き合いを求めている。トランプ氏が半導体に最大25%の個別関税を課せば、米国向け輸出のコストは跳ね上がる。半導体市況そのものが冷え込むリスクからは逃れられないが、顧客の側も少しでも影響を避けたい。
顧客にとっては個別の事情もある。
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