「禊は済んでいない」「ファンが見るぶんにはいいのでは」と賛否両論…ダウンタウンの活動再開が秘める《吉本興業のリスク》と《大きなチャンス》
少なからずリスクはある一方で、ビジネスチャンスも大きいように思える。
新規メディアの成功においては、キラーコンテンツが不可欠だと言われている。ダウンタウンは人気の大御所芸人であるだけでなく、現在では、幸か不幸か他では見られない希少価値の高い存在となっている。お金を払ってでも「彼らの新しいネタを見たい」と思うファンは少なからずいるだろう。
単体で見ても、なかなかおいしいビジネスになりそうに見える。
吉本興業としては、ダウンタウンを入り口として、有料配信ビジネスを拡張していこう――という目論見もあるだろう。
吉本興業所属の芸人は、よくギャラの安さをネタにするのだが、それでも同社が多くの芸人を惹きつけているのは、劇場の存在が大きいと言われている。芸人にとっては、劇場でネタを披露する場が与えられていることが大きいのだ。
オンライン配信により、バーチャルな劇場が誕生すると言える。独自にYouTubeアカウントで映像配信を行って成功している芸人も少なからずいるが、吉本興業のプラットフォームを活用したほうが集客できたり、収入が増えたりするのであれば、芸人もそちらを積極的に利用する可能性があるかもしれない。
STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ)所属のタレントは、2023年と2024年の年末は紅白歌合戦に出演しなかったが、年越し配信やライブを行い、多くのファンの集客に成功している。外部のメディアに頼らず、自社で発信できるのであれば、収益は自社に入るし、自由度も高い。
芸人の中には、不祥事でテレビに出られなくなったり、尖りすぎていてテレビのような大衆受けはしなかったりする人やグループもいる。そうした芸人が活動する受け皿として機能していく可能性もあるだろう。
まだ立ち上がっていないので、成否を議論する段階にはないが、多くの可能性を秘めていることは間違いないだろう。
地上波に復帰できそうな香川照之との違い
今後、ダウンタウンがどこまで活動範囲を拡大していくかは定かではないが、吉本興業にとっても、ダウンタウンにとっても、松本さんの性加害疑惑を放置しておくことは好ましくない。
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