お笑い芸人も騒然「吉本鎖国」騒動はなぜ起きたか 東京のライブシーンから配信事情まで分析
1月下旬、吉本興業に所属する複数の芸人がSNS上に「主催ライブに他事務所の人を呼べなくなった」といった趣旨の内容を投稿。“吉本鎖国”がトレンド入りし、2月に入って劇場を統括する代表取締役副社長の奥谷達夫氏が「他社と一切交流を持たないということではありません」と弁明する事態となった。
1月28日、ニューヨーク・屋敷裕政が自身のYouTubeラジオ番組『ニューヨークのニューラジオ』の中で「俺らんときもあったもんな。(中略)『吉本の無限大(ヨシモト∞ホール)以外で漫才したらあかん』ってなって……」と語っていたように、今回の騒動以前にも各劇場の方針によって所属芸人に何らかの制限がかかることはあったようだ。
吉本以外の芸人が出るライブもヒット
しかし、ここまで事が大きくなったのは、コロナ禍以降YouTubeなどのSNSやライブの動画配信がすっかり定着し、事務所の垣根を超えた交流が盛んになったからだろう。
とくに2021年元日に開催された無観客配信イベント「マヂカルラブリーno寄席」は、配信チケット1万7000枚超えの爆発的な売り上げを見せ、ライブ配信の可能性を感じさせた。
その後、芸人主催の「○○no寄席」は正月恒例のイベントとしてシリーズ化し、「ダイヤモンドno寄席」や「ケビンスno寄席」といったライブは配信期間が延長するほどの人気を博している。いずれも吉本以外の芸人が出演するライブであり、その組み合わせの妙がヒットした側面もあるだろう。
なぜ吉本の劇場にそのほかの事務所の芸人が出演するようになったのか。その経緯や影響について考えてみたい。
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