
2023年7月、カリフォルニア州サンディエゴ店のオープンに際しては長い行列が(写真提供:株式会社麺食)
国内69店舗、アメリカ8店舗、そして2025年にはドイツへ——。「こってり系が定番」と言われる欧米のラーメン市場で、「あっさり系」で勝負する『喜多方ラーメン坂内』。その成功の背景には、独自の「ラーメン偏差値戦略」があった。ライター・編集者の笹間聖子さんが、誰もが知る外食チェーンの動向や新メニューの裏側を探る連載。第7回は、『喜多方ラーメン坂内』の海外戦略に迫ります。
酔客の「救世主」的存在のラーメン
電気街として知られる大阪・日本橋。買い物ついでにお酒を飲んだ帰り、友人の勧めであるラーメン店に立ち寄った。「かなり飲んだから、胃もたれしないかな」と心配しながら注文した一杯。その一杯に、いい意味で期待を裏切られた。
あっさりと滋味深いスープに、やわらかな中太縮れ麺、口に入れた途端にとろけていくチャーシュー……。いずれもが疲れた胃にやさしく染み込み、お腹も心も満たされたのだ。
この「深酒した日の救世主」ともいえる店の名は、『喜多方ラーメン坂内』(以下、坂内)。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら