「今度の万博は船でも行けまっせ」→「絵に描いたモチ」に…《大阪・関西万博》船ルートが「超絶残念」に始まってしまったワケ
安治川河口・大阪湾に突き出た万博会場に内陸から船で到達するには、河川上流からくる「川船」と、河口や近海を航行する「海船」の乗り換えが必要となる。
拠点として「十三船着場」「中之島GATE」が建設されたが、夢洲・万博会場行きの定期便は、未だにまったく就航していない。


なかでも計画段階では「年間30万人の賑わい創出」がうたわれていた「十三(じゅうそう)船着場」(大阪市淀川区)の閑散ぶりが目立つ。
阪急電鉄・十三駅近くの淀川河川敷にある船着き場からは、10kmほど川を下れば万博会場に到着できる。2024年時点では、ここからは夢洲行きの船が「3社・1日8便・月約250便」運航される予定で、かつ淀川上流の京都・枚方からの船の乗り換え拠点としても機能することが見込まれていた。
水量をコントロールする「淀川大堰」を通過可能とする閘門(こうもん。船のエレベーターのような設備)「淀川ゲートウェイ」も完成、万博を目前にして、京都・枚方から十三までの航行も可能となった。
乗り換え拠点としての河川敷の賑わいを見込んで、この地に約30店舗・600席の屋台村「十三よどガヤテラス」を併設、すべてを含んで「年間30万人」という動員を目論んでいたという。
整備したはいいが…定期就航を希望する会社はなし?
しかし、船会社は各社とも定期就航を希望しなかった。河川を管轄する近畿地方整備局に伺ったところ、当初の構想にあった「京都~十三~万博会場間」は、実際に航行すると乗り換え込みで8時間ほどかかることもあり、「運行を希望する船会社待ち」状態とのことだ。
一方で、淀川区役所によると、「4月に一部開業、5月本格開業」と報じられていた「十三よどガヤテラス」は「開業は遅れる見込み、船の就航も何も聞いていないのでわからない」とのこと……万博行きの船が発着しなければ、駅に近いとはいえ堤防の先にある河川敷に、賑わいが生まれないのは当然で、集客の目論見も「絵に描いた餅」となる。

もう1カ所、安治川沿いの乗り換え桟橋を併設した「中之島GATEサウスピア」からも、未だに定期船が就航していない。ただし、万博ホームページには「中之島GATE発」の定期船として、2社の名前が記載されている。
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