「風邪が5類?」「風邪を報告?」厚労省が新たに始めた患者数のモニタリング調査《パンデミックへの備え》になりにくい残念な理由

国立感染症研究所(写真:kash*/PIXTA)
急性呼吸器感染症(ARI)の全国的な流行状況を把握するための調査が始まった。この調査では、インフルエンザや新型コロナなど、従来からの調査対象に加え、咳や鼻水を伴う「風邪」も対象となった。
全国約3000の定点医療機関が報告
国立健康危機管理研究機構(JIHS)は4月22日、初の結果(速報値)を発表した。調査開始初週(4月7~13日)には、全国約3000の定点医療機関から報告されたARI患者数は1医療機関あたり49.38人、合計で18万1270人にのぼったという(定点把握についてはのちほど説明する)。
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厚労省は、新しい調査の趣旨について、以下のように述べている。
急性呼吸器感染症(ARI)は、飛沫感染等により周囲の方にうつしやすいことが特徴です。新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、【1】こうした流行しやすい急性呼吸器感染症の流行の動向を把握すること、また、【2】仮に未知の呼吸器感染症が発生し増加し始めた場合に迅速に探知することが可能となるよう、平時からサーベイランスの対象とするために、感染症法の5類感染症に位置付けることとしました。これにより、公衆衛生対策の向上につながると考えています。
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