「コールド・ストーンの原宿店が閉店か…え、サーティワンは今も絶好調なの!?」 国内アイス店で王者の「サーティワン」の”凄さ”の本質
ただ、もしもこのアイスの種類が50種類もあったらどうだろう。あるいは、カスタマイズが無限にあったら……?
有名な話だが、選択肢が多すぎると、人はかえって選びにくくなったり、幸せが減る。行動経済学などでよく言われる「選択のパラドックス」だ。
それに類するものとして「ジャムの法則」があるが、これは人間がもっとも選びやすい個数は「7±2」種類だというもの。ちなみにサーティーワンのシーズンごとの新フレーバーは11種類ほどで、これと近い数字。「新フレーバーを食べよう」という人にとっては、ちょうど選びやすいのかもしれない。
「32種類」という数字は1カ月の日数+1種類という別の理由から作られたものだが、これが偶然にも「ちょうどいいバリエーション」を生み出している気がする。

利用用途の「ちょうどよさ」
もう一つは、利用用途の「ちょうどよさ」だ。出先でも自宅でも、どちらでも楽しむことができるから、色々な人が使える。
サーティワンといえば、元々ショッピングモールなどに多く出店を行っており、「ハレの時」に食べるイメージが強いものだった。
ただ、コロナ禍でテイクアウト需要が急拡大した際、この方向を変えて「テイクアウト需要」にも対応できるようにした。そこで考案されたのが「バラエティボックス」。元々あった「バラエティパック」をリニューアルしたものだ。
小さめサイズのアイスを詰め合わせ、自宅で好きな味を楽しめるもので、リニューアル後には売り上げが269%も増加した。こうした施策によって、サーティーワンは自宅でも出先でも楽しめるものになった。

サーティーワンは出店場所について「駅前、ロードサイド、市街地など、さまざまなロケーションを候補地としてみている」という。私の自宅の近くにも、どんな所に住んでいても、どんな人でも利用しやすい、その「ちょうどよさ」が生まれている。
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