「クラウン エステート」がファミリー4車型の中で最も“クラウンらしい”と言えるワケ

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クラウン エステートのボディサイズは、全長4930mm×全幅1880mm×全高1625mmで、ホイールベースは2850mmとなっている。

全長とホイールベースはクロスオーバー、全幅はスポーツと同じで、全高はセダンを含めたシリーズ中もっとも高い。だから、本来はクロスオーバーあるいはSUVとして考えるべきだ。

プロポーションや車高の高さからもSUVであることがわかる(写真:トヨタ自動車)
プロポーションや車高の高さからもSUVであることがわかる(写真:トヨタ自動車)

トヨタのオフィシャルサイトでもSUVとして紹介しており、「ヤリス」や「カローラ」の例にならえば、「クラウン クロス」とネーミングするほうが自然だと思う。

そうならなかったのは、開発陣が次期クラウン セダンと考えていたモデルと別にセダンを作ることになったために、クロスオーバーと呼ぶことになり、本来のクロスオーバーをエステートと名付けたためではないかと想像している。

高めの車高と大径タイヤを持つセダンの「クラウン クロスオーバー」(写真:トヨタ自動車)
高めの車高と大径タイヤを持つセダンの「クラウン クロスオーバー」(写真:トヨタ自動車)

ちなみにエステート(estate)とは、財産や土地を示す言葉で、イギリスにはクラウンエステート(The Crown Estate)という組織もある。王室に帰属する土地や財産を管理する法人のことだ。

それゆえだろう、アメリカで販売している同型車は「クラウン シグニア」という名前がつけられている。今後、ヨーロッパで販売することになっても、クラウン エステートの名前は使えないだろう。

ステーションワゴンがなくなりゆく中で

ボディサイズでクラウン エステートに近いのは、我が国で発売したてのBYD「シーライオン7」だ。

2025年4月15日に発売されたばかりのBYD「シーライオン7」(写真:ビーワイディージャパン)
2025年4月15日に発売されたばかりのBYD「シーライオン7」(写真:ビーワイディージャパン)

ほかに、ワゴン専用車種になったフォルクスワーゲン「パサート」、エステートの代名詞的存在でもあったボルボの「V60」と、そのクロスオーバー版の「V60クロスカントリー」あたりが思い浮かぶ。

一方、日本国内でこのサイズのワゴンというと、マツダ「マツダ6ワゴン」があったものの、2024年に国内での販売を終了した。クロスオーバーまで枠を広げると、スバル「レガシィアウトバック」があるが、こちらもマツダ6に続き、今年になって我が国での販売を終えている。

本格的なSUVを含めて考えれば、レクサス「RX」やマツダ「CX-80」あたりのほうが近いポジションにいるといえそうだ。

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