児童書ベストセラー作家が語る「苦手があるのは、伸びしろがあるということ」、親の小言より読書のススメ。「なんでも魔女商会」おすすめ4冊

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でも、悩みはいっぱい出てくるだろうから、そのときの解決策として読書という選択肢を持てたらいいなと思っているんです。中学や高校で、たとえ読書から遠ざかったとしても、読書する習慣を持っていれば、大人になって、いろいろな悩みを抱えたときに、また本屋さんに行って本を開いて、本からアドバイスや励ましがもらえます。

だからいま、子どもの頃にたくさん本を読みましょうとおすすめしています。読書ができるようになるということは、100人の友達を作るのと同じ意味があるということなんですよ。

あんびるやすこさん
あんびるやすこさん(写真:岩崎書店)

絵本は大抵親が与えるものだけれど、児童書になると、子どもたちが自分で選ぶことが多くなります。体がビタミンCを欲しているときに、いちごが食べたいと思うのと同じで、もしかしたら子どもたちの心が、必要なものを探す過程で、この本を取り入れようとしてるのかもしれないですよね。

いまはデジタルに夢中になっている子が多いけれど、私、しばらくしたらみんな読書に戻ってくるような気がしているんです。もういい加減、自分を見つめたくなる人が多くなる気がするんですが……どうなのかな。

いま、ネット断ちをして自分を取り戻そうっていう動きもあるでしょう? 昔に比べて、退屈だと思う時間がなくなっちゃったのが関係しているとは思います。私は子どもの頃、絶えず退屈だったから、いろんなことを想像したりして、それがいまの仕事にも繋がっているのかもしれません。

私が子どもの頃、子ども向けの商品は「子どもってこんなもんでしょ」みたいな考えが透けて見えるものばかりでした。これは私が欲しいものじゃないって絶えず思っていました。私が大人になったら、欲しかったものを作る。欲しかったのはこれなんだと大人に見せてあげるんだって思っていました。

苦手に対しての向き合い方を本を通して考える

私の作品では、苦手なことを克服するために、努力する姿をストーリーにしています。

「なんでも魔女商会」というシリーズでは、はじめに、主人公としてシルクという魔女を考えました。すごく優秀なんだけれども、コミュニケーションがあまり得意ではない。それによって誤解を受けやすいけれど、心根は非常に温かいというキャラクターにしました。

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