「特別なこだわりはありません」 地方で1日1442杯も販売、超巨大ローカルスーパーが仕掛ける《100円バナナジュース》の賢い戦略
甘味を引き出すには、熟成具合を見極めるのがコツです。まず、仕入れたバナナを約20度の部屋で約4日間保管します。するとシュガースポット(茶色い斑点)が出てくるので、この状態になってから、皮を剥いてちぎって冷凍してから使っています。


バナナジュース屋さんはまずかわなべ店で始めて、当初は「バナナと牛乳で作ればできるだろう」とシンプルに考えていたようですが奥が深かったようで……。普通に青果売り場に並んでいるような、シュガースポットがあまり出ていないバナナを使ってジュースにしたら、えぐみや青臭さを感じる味になってしまったそうです。
―食べておいしいバナナが、ジュースにするとえぐみを感じるとは。
徐々にこれぐらい熟したらいいかなとかわなべ店のスタッフたちが試行錯誤しながら見極めていき、安定した味を届けられるようになりました。
―低脂肪牛乳を使うのはなぜですか?
普通の牛乳だと牛乳臭さが残ってバナナの甘みを消してしまうので、バナナを生かす味で考えたら低脂肪牛乳がベストだったようです。
「100円で出す」と決めていた
あと、ジュース屋さんを始める際、お客さんに気軽に飲んでいただけるよう「100円で出す」と決めていたそうで。低脂肪牛乳だと原価を下げられたのも理由です。
―100円は決めていたんですね! バナナを選んだのも価格が理由ですか?
そうですね。バナナは価格もほどほどで、季節による値段の上下が少ないので、一年中安定して100円でお届けできるだろうと選んだようです。
価格に加えてもうひとつ理由がありまして、昔から馴染みのある果物という点でも選びました。例えば、親が家でジュース作るって言ったらバナナかリンゴ、オレンジの3つあたりが定番だと思うんですけど。オレンジは今価格が上がっていますし、リンゴは色が変色しやすいので、定番の中ではバナナが一番よかったんです。


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